ジャズギター裏口入学(24)
僕がジャズギターの勉強を始めてから、一番混乱したこと、そして最も上達の妨げになった事は「コードとスケールの関係」についての理解でした。皆さんも、同じ悩みを抱えていて、行き詰まっている人もいるのではと思い、このことについて自分なりの考えを書いていきます。
僕は大学時代(ジャズギターを始めて間もないころ)、ずっとこう考えていました。
「G7はGミクソリディアン・スケールで弾く」
要するに「コード・ネームが決まれば弾けるスケールも決まる」と思っていました。さすがに1:1ではないものの、ある程度スケールは決まると思っていました。具体的に言うと下の通りです。
「G7はGミクソリディアン」なのだからだから「F7はFミクソリディアン」、「C7はCミクソリディアン」で弾けばオーケーっていう風に考えました(これは、ある意味間違いではありません。)。
そこで理論書に書いてあるダイアトニックコードとスケールの関係を次のように覚えました。
C△7:Cイオニアン Dm7:Dドリアン Em7:Eフリジアン F△7:Fリディアン G7:Gミクソリディアン Am7:Aエオリアン Bm7♭5:Bロクリアン
頭文字をとって「イ・ド・フ・リ・ミ・エ・ロ」と呪文のように口ずさんで覚えました。
これはこれで覚える意味はあったのですが、それでも混乱は続きます。
先ほどのダイアトニック・コードの「m7」で使われていたスケールはDm7の「ドリアン」Em7の「フリジアン」そしてAm7の「エオリアン」です。例えば、曲の中で「Dm7」が出てきた時に「Dドリアン」なのか「Dフリジアン」なのか「Aエオリアン」なのかわかりません。曲によって「ドリアン」がぴったりだったり「フリジア」だったり、はたまた「全然合わなかったり」とますますわからなくなってしまいます。
実を言うと、こう言った混乱状態が数年も続いて、練習してもちっともギターは上達しなかったのです。テクニック的にはそこそこ上手になっていき、ギタリストのフレーズコピーした通りには弾けますが、オリジナルや手本のない曲はほとんど弾けるようにはなりませんでした。
この混乱状態は、ピアノ・プレイヤーの大学の先輩に質問した時の返答のちょっとした言葉使いをキッカケに脱出することができきたのです。
「XXさん、G7はどういうスケールで弾いたらいいです?」
先輩はこう答えます。
「G7ってどういう(どこの)G7だよ?それじゃ、わかんねーよ。」
次回は、このことを具体的に解説していきます。
