僕の音楽史(91)
大学1年の秋頃は、所属するビッグバンドサークル「ライト・ミュージック・ソサイェティ」は特に大きなイベントもなく平穏な活動だったように記憶しています。大学の学園祭「三田祭」での演奏があったとも思うのですが、自分はジュニアバンドでちょっと「コードを刻んでいた」だけなので(笑)、全く記憶にありませんし、レギュラーバンドの先輩たちの演奏も、実は全く覚えていません。ただ、こんなこと書くとこれを読んでる先輩達に怒られるかもしれませんが、みんな結構酔っぱらっていて「ベスト」な演奏ができるような状態でのステージではなかったような気がします。まー、お祭りですから無理もないですが、「それにしてもなー・・・・???」と感じていました。僕は全般的には「不真面目な人間」ですが、なんか「音楽」については、今以上に「ストイック」でしたね(笑)。
ジャズ・ギターのレコード買いまくりは続きます。
「チョップス」で気に入った「ジョー・パス」ですが、何枚か買っていくうちにとうとう次のレコードに出会いました。

「ヴァ―チュオーゾ」ですね。いわゆるクラシック・ギター以外で初めて「ソロ・ギター」ってのを聴きました。収録されている「スタンダード」は大体知っている曲でしたが、全くその曲とはわからないくらいの多彩なアプローチでびっくりしました。今ならコード進行を聴けば何の曲はすぐにわかりますが、当時は曲のテーマをある程度きっちりと弾いてくれないとわからない、そんなレベルでした。
最初は、クラシック・ギターのように「譜面通り」弾いているのかと思っていました。全て譜面通りと言わないまでも、ある程度構成は決めてあるのかと思っていました。ところが、友人の川島から日本に来た時のソロ・ライブの録音テープを聴かせてもらったことがあって、同じ曲をテンポもアレンジもキーも全く違うようにやっていて「あれはアドリブだったんだ!」とびっくりしたものです。
本屋でコピー譜が売っていたので、早速買ってきて研究しようと思いました。

このレコード、初めて聴いてからもう30年以上の歳月がたっていますが、いまだに愛聴していますし、譜面を見ながら音をさらったり、改めてコピーしたりと、まだまだ教わることが沢山あります。そして、いろんなソロ・ギターのスタイルがありますが、全てのルーツはここなのかなと思います。そもそもジャズで「ソロ・ギター」というジャンル(?)を確立したのは多分ジョー・パスだと思います。
これで研究の対象は「秋山一将」「ジョージ・ベンソン」「ジョー・パス」の3人になりました。