僕の音楽史(90)
夏休み明けからジャズ・ギターのアルバムを買いまくる様になりました。とにかく、ジャズが弾けるようになるには、ギターに触れる時間と同じ時間だけ聴くことが必要と思いました。「ウェス・モンゴメリー」は叔父さんから既に聴かせてもらっていたので、まだ聴いたことのないギタリストでジャズ・ギタリストでメジャーな存在と言えばやはり「ジム・ホール」と「ジョー・パス」でした。
新宿のディスク・ユニオンで次のアルバムを購入します。「アンダー・カレント/ビル・エヴァンス&ジム・ホール」です。

全くダメでした(笑)。理解できませんでした。最初に買ったジャズ・ギターのアルバムが「アンダーカレント」ってのは今考えると無茶苦茶ですね。この内省的な音空間に自分の身を置くほど僕は成長していませんでした。
名誉挽回でもう一枚「アローン・トゥギャザー」とそのコピー譜を同時に買ってきました。これまた、眠くてアルバム通して聴くことができませんでした。

誤解しないでください。今ではこの2枚のレコードの歴史的意義や音のすばらしさは充分わかっていますよ。でも、これを理解できるほどに至ってはおらず、まだまだジャズと言う音楽に対して未熟だったのですね。
さすがに3枚目を買う気にはならず、下のショー・パスのアルバムを買ってきます。ペデルセンとのDuoで「チョップス」です。

一発で気に入りました。単音8分音符のオーソドックスな分かりやすく定石的なフレーズです。当時の僕にはやはりこういうギタリストでなくては駄目だったのです。この当時は、「鑑賞」ではなく「教則レコード」的な感じで聴いていました(今でも割とそうですが。。。)。そういう意味ではジョー・パスのギター・スタイルはぴったりでした。
この時から、当分の間は「ジム・ホール嫌い」になりました。先ほども書きましたが、今では大好きです。でも、正直言うと、彼の事はよくわからない部分もありますし、特に日本では「過大評価しすぎなのでは?」と思ったりもするのです(笑)。
いずれにしても、「ジムはコピーしてもしょうがない、ジョーはコピーすれば即戦力になる」と感じていたので、ジョー・パスのアルバムはこの後買いまくりましたし、結構コピーしました。