僕の音楽史(89)
「ジョン・ボーナム死去」のショックから覚めてライトの練習に復帰しました。
新曲をレギュラーメンバーが練習していました。今までライトがやっている演奏は正直よくわからなかったのですが、この新曲はすごく気に入りました。
「It's The Same Things Everywhere」
「誰の曲だろう?」
「作曲者はわからないけど、リッチー・コールのニューヨーク・アフタヌーンというアルバムに入ってる曲だよ。」
アルト奏者の小林君が教えてくれます。しかも、以前もこの話の中の何回か登場したアルトサックスの先輩「淳平さん」がビッグ・バンド用にアレンジしたとのこと。
「ビッグバンドのアレンジもできるのか!?」
びっくりしてしまいました。「こっちはコピーしたギターのフレーズを譜面に起こすのに悪戦苦闘しているのに!」
イントロのペダルの部分で、ギターの「カンタさん」が心地よくオクターブ奏法で音を鳴らします。僅かばかりではありますがギターの存在感を見せられるアレンジでした。曲そのものもオーソドックスなジャズのコード進行ですし、サビ(テーマの後半?)のサックスのアンサンブルも流石にサックス奏者がアレンジしただけあってカッコよく、一発で気に入りました。
夏休みからジャズを聴きまくるようになって、随分と耳が肥えてきたなと思いました。この曲を聴いて何となく「ⅡⅤⅠ(にーごーいち)」とか「ⅢⅥⅡⅤ(さんろくにーごー)」とかが譜面を見なくても少しだけサウンドとして頭に鳴る様になりました。
後日、アルトの小林君から「リッチー・コール」の「ニューヨーク・アフタヌーン」と「アルト・マッドネス」の2枚のアルバムをカセットテープに録音してもらいました。
この「It's The Same Things Everywhere」という曲、そしてこの「リッチー・コール」というアルト吹きとの出会いは、いずれこの話の中で紹介していくことになりますが、僕の音楽人生には結構大きな影響を及ぼすことになってきます。

