ジャズギター裏口入学(22)
「一発もの」の学習方法から始め、「4度重ねの和音」についてお話ししましたが、今回からは「スタンダード」の学習方法について自分なりの考えを書いてみます。
まず、曲は何から始めるかですが、まずはお気に入りの曲であることが前提ですが、音楽的なことで言うと次の3つの事かなと思います。
(1)キーはメジャーならB♭、F、E♭、C マイナーならGm、Cm、Am
(2)ⅡⅤⅠやⅢⅥⅡⅤⅠなどの代表的な進行が中心で、あまり目まぐるしく動かない曲
(3)黒本や青本に譜面が出ていて、自分の好きなギタリストの音源があること
(1)についてはやはりこのキーで演奏される曲が圧倒的に多いですし、ギター的にもそれぞれのキーの代表的なポジションがネックのヘッド側、真ん中、ボディ側となるので、フレットをまんべんなく使えるようになる練習になります。
(2)もいいですよね。まずはジャズのオーソドックスなフレーズを徹底的に身体に覚えさせることが重要と思うからです。いきなり「ドルフィン・ダンス」とか「ネフェルティティ」とかじゃなくってと言うことですね。このような曲をいきなりスラスラとコード進行にとらわれず弾ける人はある意味「限られた人」「選ばれし人」なわけで、ここでの講座の対象ではありません。
(3)が一番大事なことです。先ず、譜面が必ずあることが重要です。理由は2つ、なんの飾り気もない「テーマの素のメロディー」を確認するためです。そして、もう一つは「コード進行を確認し、その中で展開されたテーマやアドリブを他の曲で応用できるようにするため」です。
よく、コード進行もわからずに他のギタリストのテーマやフレーズをコピーして練習している人がいますが、これでは他の曲に応用することができないと思います。これは「試験問題の答えを暗記する」行為と全く一緒で、問題文の中の数値を変えられただけで全く解答が導き出せないのと一緒です。弾けるようになってもただの「自己満足」に過ぎず、音源に合わせて一緒に弾いて満足感を得ること位しかできません。大体、人前で他のギタリストのテーマやアドリブをそのまま弾くのは、「トリビュート・ライブ」みたいな特殊な場合以外はやってはいけないことと思います。
黒本や青本などで「素のテーマメロディ」を確認するのは、お手本にするギタリストが「素材をどう料理するか」を確認するためです。
次回から(3)の練習方法について実際にどうやっていくかを具体的に譜面や動画で何回かに分けてお伝えすることにします。
