僕の音楽史(87)
大学1年の夏休み、短期間ではありますが新潟で久しぶりに過ごした後に東京に戻ってきまた。多少のジャズの知識を得て、名盤を色々聴くことで、とにかく「音のシャワーを浴びなくては!」 「ジャズ・ギターを聴かなくては!」「音楽に浸らなくては!」との気持ちを強く持ちました。そして、それを実現するため生活を変えることにしました。
今まで音楽情報源はライトの友人である川島君からアルバムやミュージシャンを紹介してもらい、彼からテープに録音してもらうことが殆どでしたが、それでは聴く量が圧倒的に足りないと思いましたので、自分でレコードを買う事にしました。しかも、沢山聴きたかったので、新宿ディスクユニオンのジャズ・ギター中古盤を片っ端から買う事にしました。そして、ギター練習にも時間を割きたかったので、大学に行くこともライトの練習時間以外はやめることに決めました。

当時の僕の生活は次のような感じでした。
12:00 ~ 14:00 起床。レコード鑑賞
14:00 ~ 18:00 新宿に外出。ディスク・ユニオンでレコード物色&購入
18:00 ~ 21:00 三田に移動。ライトの練習に参加
21:00 ~ 7:00 ギター練習
7:00 ~ 12:00 睡眠
完全に夜と昼が逆転です。そしてギター練習は真夜中に10時間以上はやっていました。もっとも、10時間ぶっ続けでギターを弾いていたわけではなく、最初の数時間はフレーズ・コピー、当時は秋山一将さんとジョージ・ベンソンを中心にギター・ソロの部分をカセット・テープに録音し、「聴いて戻して」を何度も繰り返しながら譜面に起こし、残りの時間はそれを「指癖」にすべく何百回も弾く練習を繰り返していました。
レコードを買う資金を捻出するために、食事は1食、「卵サンドと日清シーフード・ヌードル」で終わりにしました。バイトをしようとも考えましたが、ギターの練習時間が欲しかったのでやめることにしました。
こんな生活をその後バンドのレギュラー・メンバーに加わるまでの間はずっと続けていました。


今の音楽活動はこの時の「貯金」を取り崩すことで成り立っています(笑)。もっとも、この貯金もさすがに底をついたので、またこの時の気持ちで練習しているのですが、さすがに50代の身体では体力的に無理ですし、サラリーマン生活、そして家庭を持っていては無理ですね。
夏休み明けから上の様な生活を開始、まさに「音楽漬け」になり始めていた時に、ある悲しいニュースが飛び込んできます。