ジャズギター裏口入学(19)
今回は「一発もの」といわれる曲について学習のポイントを話そうと思います。
「一発もの」、ここでは「ソロの部分がコード変化がないもの」あるいは「コード変化はあるものの一つのスケールで弾けてしまうもの」と定義します。乱暴に分けてしまうと「マイナー7th一発」と「7th一発」に大きく分けられると思います。ここではジャズの中では比較的多い「マイナー7th一発」のことについて限定して説明します。
代表的な曲はやはりマイルス・デイビスの「ソー・ホワット」「マイルストーン」と思いますが、それ以外でも色々なミュージシャンがこの形式を借りてオリジナルの楽曲を作っています。
この「マイナー7th一発」形式の楽曲を学ぶことは大きく3つのメリットがあります。
(1)フレーズのストックを増やせる
とにかく、コードが一つなわけですから、コード進行やチェンジ、あるいはスケールを気にかけずにどんどんコピーしていくことができます。マイナー7th一発ですから、基本はドリアン・スケールをメインで演奏しているケースが多いですので、このスケールを把握していれば、何とか採譜もできるはずです。そして、ドリアンスケールはマイナーペンタトニックの音を含んだスケールですから、応用範囲がとても広く、どんどん実践で使っていけます。
(2)コードのバリエーションを身につけることができる
一発コードだからと言って、同じポジションのマイナー7thコードを延々弾き続けているギタリストなんていません。たった一つのコードネーム、たとえばDm7の中で、ギタリストたちはさまざまなポジションで色々な音を含んだコードを弾いています。これを採譜することで、逆に皆さんが譜面の中でマイナー7thコードを見て弾くときのバリエーションを身に着けることができます。また、ここでは言葉の意味は説明しませんが、マイナー7th一発特有の「モードっぽい4度重ね」のかっこいいコードを身につけることができます。そして、この和音を普通のスタンダードにさりげなく利用するととってもモダンなかっこいい演奏ができます。
(3)アウトサイドのプレイを学べる。
(2)のコード同様に、マイナー7thだからと言って、「ドリアン・スケール」だけで演奏している人なんていません。単調さを避けるため、皆、色々なスケールを駆使して、かっこいいアウトサイドラインを弾いています。なんたって「ドリアン・スケール」を中心としたマイナースケール以外のスケールを弾けば、ある意味「アウトサイド」と言えるわけですから。
次回は、今日書いた内容が具体的にどのようなことかを譜面と動画を使ってわかりやすく説明しようと思います!
お楽しみに!
