Pat Martino奏法研究(65)
今回はPatの「グルーブ」や「ノリ」の重要な要素となっている「繰り返し」と「規則性」について解説します。
まずは下の譜面と動画をご覧ください。

このフレーズ、ロックギタリストもよく使う3連フレーズですね。彼はこのフレーズ(いくつかバリエーションがあるのですが)を「一体いつまでやるんじゃい!」てくらいまで延々とやり続けます。これを1拍の3連符でやるとリッチー・ブラックモアです(笑)。でも、パットの場合はちょっと違っていて、「8分音符の3つ取り」とでもいうのでしょうか、3つの音の頭のF#音が微妙にずれていきます。8分音符を3つで取ってるわけですから、4拍子の中でやると3と8(1小節は4拍で8分音符が8個)の公倍数、「24」、つまり8分音符24個分の3小節で1回転して元に戻ってくる感じです。
「グルーブ」「ノリ」という意味で注目してほしいことを2つ書きますね。
一つ目は譜面の手書きアクセント記号の部分、3連の3番目の音であるB♭音、これを少しだけ強調して弾きます。そして、2番目のG音は少し弱め。ただ動画は音を確認する意味でも多少単調に弾いています。
ただ、パット本人も無機質な感じでやりたいときはあえてこの強弱をつけずに弾くこともありますし、逆に盛り上がって「どうだ!まいったか!」って時はあえて強調してアクセント付けたりとまちまちです。
2つ目、今回はこれが一番のポイントなのですが、F#→Gの半音の部分で譜面のスラー記号の部分だけは、ピッキングせずにハンマリングで音を出します。そして、最大ポイントですよ!このF#→Gをピッキングとスラーで弾くことを、必ず交互にやります。そう、必ず交互ですよ!!彼の3連のこの手のフレーズは全てこういう風に弾きます。下の動画でピッキングを確認してください。わかりやすいように動きを大きくしてます。
この「繰り返し」と「規則性」、そして「規則性の繰り返し」、これが彼の「グルーブ」「ノリ」の重要な要素のひとつです。
次回は彼のフレーズから「規則性の繰り返し」のもう一つの際立った例をご紹介します。
お楽しみに!