僕の音楽史(74)
日吉でのジュニアバンドの練習と三田でのレギュラーバンド練習の準備・見学後の帰宅電車はトロンボーンの川島君といつも帰っていました。彼は僕に比べ色々な音楽をフラットに聴いていたので、彼の話は貴重な情報源でした。レギュラーバンドの練習の帰りは僕は三田線の板橋の方に住んでいましたので、三田線一本で帰るのが近かったのですが、彼と音楽話をするためわざわざ「山手線で田町駅からグルーと回って巣鴨で三田線に乗り換える」という遠回りをして帰っていました。それだけ僕にとっては貴重な時間でした。
「ジャズでもフュージョンでもいいけど、なんかお勧めのアルバムをカセットに録音して欲しい」と彼に生テープを何本か渡しました。
数日後彼に渡したテープが戻ってきました。録音してくれたのは次のアルバムでした。



左の写真から【モーニング・ダンス/スパイロ・ジャイラ】【ブリージン/ジョージ・ベンソン】【想い出のサンロレンツオ/パット•メセニー・グループ】でした。どれも初めて聴くバンドでした。今思うと、当時あんなに人気のあったアルバムですら、聴いていなかったって事ですね。
早速自宅でギターじゃない「スパイロジャイラ」ってやつから聴いてみます。
印象的なスティールパン(?)のイントロからアルトサックスのテーマが出てきます。
「なんて奇麗な音色!」
ジェイ・ベッケンスタインのアルトの音色にノックアウトです。後半のアルトソロも歌心満点です。僕はフュージョン・ミュージックってのは「技術」「スピード」「スリル」の3拍子と思ってました。でも、音楽である以上やっぱ「歌心」ってのも無茶苦茶重要なのだなと再認識しました。アルバム・タイトルの「モーニングダンス」や「スターバースト(後にライトで演奏することになります)」が特に気に入りました。マリンバ、エレピ、アルトのソロのフレーズなんかは、当時覚えたてのジャズのフレーズがところどころ散りばめられていて、「フュージョンをやるにはジャズを勉強するしかない!」という自分の方向性に誤りはないと再認識しました。
残り2枚のギター・アルバムについては次回書くことにします。長くなるので・・・・。
こんな感じで少しづつ音楽性(?)は広まっていきましたが、その一方でギターの練習はいきづまり、ライトの活動にはあまりなじめませんでした。レギュラーバンドのメンバーであった先輩のギターの「カンタさん」、ベースの「タダシさん」、ドラムの「ナカムラさん」は1学年上だったこともあり、ジュニアバンドにも同時に参加していたので、話す機会も多少はありましたが、教えてもらうような時間はあまりありませんでした。彼らはすごく優しく、フランクに話を聞いてはくれましたが、ライトそのものの雰囲気がやはり一言で言うと「教わる」と言う感じではなく「自分で学べ」的な感じであったり「上下関係がある程度厳しい」まー、一言で言うと体育会系」的だったこともあり、正直夏休みまで持つかな??と思っていました。
何とかしなくてはと思い、今もある代々木の「ミューズ音楽院」に通ったりもしましたが、最初の数回で辞めました。「楽典」の授業が全くチンプンカンプンでついていけませんでしたので.....。受験勉強はやればやっただけできるようにはなるタイプでしたが、「音楽理論」と「読譜」ってやつは、何度やっても頭に入りませんでした。
次回は録音してもらった残りの2枚について書こうと思います。