僕の音楽史(70)
大学からの帰り道に買ったアルバム「サンダー・ライブ/カシオペア」に早速針を落とします。
会場の騒めきとギターの効果音(?)の後、すかさずドラムのフィルが入ってきます。
「げ、凄い疾走感!」
一曲目のスペースロードの始まりです。イントロからテーマ、ギター~キーボードソロと続き、最後の野呂さんのギター弾きまくりで曲は終わります。そして、このまま一気にセーリングアローンからブラック・ジョークそしてミッドナイト・ランデブーまで聴きました。
この時まで日本のフュージョン・バンド(今回から「クロスオーバー」という言葉は使わず、「フュージョン」という言葉を使います。)と言えば、僕にとっては「プリズム」でした。もちろん和田アキラさんや森園勝敏さんのギターが大好きでしたし、バンドとしても大好きでした。ただ、彼らの演奏に僕は「ジャズ」をあまり感じていませんでした。だから、悪いっていうわけではないのですよ。明らか、ロック、プログレのミュージシャンがジャズに歩み寄った感じに聴こえていました。でも、カシオペアには何故か強力に「ジャズ」を感じました。ギターの野呂さんなんかは和田アキラさんと同世代で、音楽環境的にも近いのでしょうが、野呂さんのプレイには凄く「ジャズ」を感じました。そして、当時僕は「カールトン」より「リトナー」が好きだったのとほぼ同じ感覚で「プリズム」より「カシオペア」が好きになりました。この感覚、わかります?
メンバー全員のテクニック、とりわけ慶應ライトのドラマー「神保彰」の「テクニック」「ノリ」にはそれはもうぶっ飛んでしまいましたが、それよりなにより楽曲に良い意味で「日本」を感じました。アルバム最後の「ミッドナイト・ランデブー」の哀愁のあるテーマのメロディーに協力に「日本」を感じグッときました。
ビッグバンド(当時はビッグバンドなんていう言葉すら知りませんでしたが…。)は全く興味の対象外でしたが、このアルバムを聴いた後には
「ライトのサークル説明会を聞きに行ってみようかな?」
と思いました。


