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ジャズギター裏口入学(10)

【ジャズっぽいアドリブ〈ブルース編〉(2)】

 前回の動画2(少しジャズっぽく弾いたバージョン)の2コーラス目の簡単な解説をしていこうと思います。まずは前回の動画を貼っておきますね。




 まずは2コーラスのど頭で下のようなフレーズを弾いています。あ、ちょっとだけ音や譜割りが違いますが、お許しを。



 ジャズっぽく聴こえるためには、以前の記事でも解説したように「ジャズをやる人が誰でも良く使うフレーズをいくつか覚える」です。これが極めて重要です。このど頭のフレーズは、どんな楽器の人でもジャズをやっている人は必ず知っているお決まりのフレーズです。試しに動画の最後にブルースワンコーラスをこのフレーズで通して弾いていますが、(C7、F7、D7でそれぞれ平行移動して弾いてます)どうですか?これだけでもジャズっぽいでしょう?!


 3~4小節目のフレーズ、これが一番のジャズの特徴とも言うべきフレーズです。下のようなフレーズですね。これ、最重要ですからしっかりと解説を読んでくださいね。



 これがよく理論書に書いてある「ハーモニック・マイナー・パーフェクト5thビロウ(HMP↓5)」ってスケールを使ったフレーズなのですが、ジャズを勉強始めた大学時代、これでまずつまずきました。理論書を読んでも全く理解できませんでした。今でも音程的には理解できていないと言って良いでしょうか(笑)。 何度となく理論書を読んでもさっぱり理解できないので、とりあえずここの部分のフレーズをいくつかコピーしてあとに順を追って下の様に考えました。

 ・「C7(4小節目)→F7(5小節目)」という進行、このブルースはキーがCなんだけど5小節目でFに転調すると考えれば、
  「V7→I」という「ドミナント・モーション」ってやつだ!

 ・このフレーズ、Fマイナーのスケールだな。この部分で何でFマイナーが使えるんだろう?〈動画3参照〉

 ・待てよ、C7⇒F7がもしC7⇒Fmだったら、Fマイナーのフレーズ弾いても大丈夫だよね?!

 ・だからFマイナーのフレーズが使えるってことか!でも、5小節目に入ったら、やっぱり「FmじゃなくてF7」なんだから、「A♭」を出すとマイナーっぽくておかしいな。

 ・フレーズの最後の音を「A♭でなくAナチュラル」にすればしっくりするぞ!〈動画4参照〉





 こんな感じでとりあえずHMP5↓の理解なんてあっちの方へ置いておいて(笑)、徹底的にこの部分のフレーズをコピーしまくり、頭では理解していなくともどんどんと実践投入していきました。「理論なんて知らなくたって、弾ければOKでしょう」と考えました。


 初心者の方の陥りやすい2つのパターンです。

「ジャズは理論がわからないと弾けない→理論書を学習→難しくてわからん→挫折」

もしくは

「ジャズは理論がわからないと弾けない→理論書を学習→理解できた!→でも弾けない(笑)」

 まずは、「理解するより弾ける」ようになることが先決と思います。理論はわからない状態でもフレーズをコピーしていくと、後で理論を理解する手助けとなることも多いですから。わからなくとも気にしないことです。

 次回は2コーラス目後半を解説します。

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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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