僕の音楽史(62)
「あの歴史的名盤」っていうのは皆さんのご存知の通り下のアルバムです。

「キャプテン・カリブ」のピアノのイントロからもうグッと来ましたね。ギターの音も最高です。「オレンジ・スクィーザー(コンプ)」をかけることで、ピッキング・アタックの角が取れ、カッティングの粒が揃い、サスティーンの聴いたあの独特の音にもうノックアウトされました。ギターソロもカッコよかったですが、後半のサックスソロのあたりのダイナミクスは「これぞダイレクトカット(スタジオライブ)!」と思いましたし、バックでソリストをあおりまくるリトナーのカッティングはもう最高でしたね。
そしてもっとぶっ飛んだのはB面「キャプテン・フィンガーズ」でした。ここでは、「テーマのカッコよさ」「複雑なラインの全員でのユニゾンプレイ」、そして「素晴らしいソロ」というクロスオーバー・ミュージックには必要不可欠な3大要素と僕が考えているすべてが盛り込まれていました。
このアルバムでは、「アンソニー・ジャクソン」「ハービー・メイソン」の素晴らしいプレイも印象的でした。アンソニーのベースはまるでギターの様に縦横無尽に暴れまくっていましたし、ハービーのドラムスもガッドとはまた違った感じで、よりワイルドで素晴らしいものでした。
このアルバム、後になってわかったことですが、テイク1とテイク2が存在します。ちなみに僕が持っているのはテイク2ですね。最初プレスした時はこんなに売れるとはレコード会社も思っていなかったようで、再プレスの時は何故かテイク2をプレスしたとのことです。「隣の芝生」ではないですが、テイク1のリトナーのソロの方がカッコ良いですね。
このリトナーのダイレクト・カット盤を皮切りに、次々とクロスオーバー・ミュージックの波が僕の元に押し寄せてきます。