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僕の音楽史(60)

【高校3年生(1979〜80年)】

 友人の新保君も僕と同様ロックを聴きながらもクロスオーバー・ミュージックに傾倒していきました。僕の音楽趣向は結構偏っていたり、こだわりが強かったりしている半面、彼は比較的柔軟で、新しいものや良いものはこだわりなく聴いていく、極めてフラットな感覚の持ち主でした。大抵は彼が新しいレコードを聴かせてくれて、僕がそれに対してボロクソ言う。その後、改めて良さを認識するみたいな感じで、とっても嫌な奴でした(笑)。違うクラスになったこともあって、学校で話す機会はなくなりましたが、受験勉強に身が入らなくなると電話をかけ、たまに彼の自宅に遊びに行ったり、家に誘ったりして交流は続けていました。

 彼の家にお邪魔した時のことです。

 「面白いレコードを買ったぞ!」

 下の写真のレコードでした。

Elegant Gypsy


 「誰、これ?アル・ディ・・・・?何人?ダンサーみてーな名前だな?ルックスもイマイチだし。」

 俺は聴く前からもう散々な酷評であります。

 「この曲、聴いてみろよ!」

 「ん?!スペイン高速悪魔との死闘? はー?!、子供映画のタイトルじゃないんだからさー!!」

 曲が始まります。「なーんだ、ロックじゃん、通りいっぺんのキメだな。」

 そして、スパニッシュ・モードでの例の早弾きが耳にと飛び込んできました。

 「はっはっはっはっは・・・・」

 笑いが止まりません。タイトル通りです。そして、彼に言いました。

 「もう、いいや。止めて!」

 その後何年か経って、スーパー・ギター・トリオ(?)などでブームとなるまで、彼の事は一度も聴きませんでした(笑)。


 「じゃあ、これならどうだ」

 それが、下の写真のレコードです。

61KggWFuD6L.jpg


 「この曲のギター・ソロ、歌っていて最高なんだよ。ギターの音もな!」

 当然、聴かせてくれたのは1曲目の「ルーム335」です。

 「なにこれ、イントロにストリングスが入っているじゃん?」

 僕的にはこれだけで実はもうNGでした。


 「まー、最後まで聴け!」

 確かに彼の言う通り素晴らしいプレイであることはわかりましたが、当時の僕にはあまり正直グッと来なかったのです。


 こう考えていました。

 カールトンの音、あれは「ロックの音」。だったら、「クロスオーバーをやらずにロックをやれ」です。

 なんというステレオタイプな発想。実は今も大した変わっちゃいませんが(笑)。

 
 フュージョン時代の名盤中の名盤2枚を捕まえて、こんな感じでした(笑)。もちろん彼ら二人、特にラリー・カールトンは散々聴くことになっていくのですが、僕のようなステレオタイプな人間の頭の中が切り替わっていくのには結構時間がかかりました(笑)。
 

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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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