僕の音楽史(54)
「ギターワークショップvol.1」そして「プリズム」を経てロックミュージック全体に対する熱い思いは確かに薄くなってはいましたが、一部のミュージシャンについては、まだ興味を失ったり嫌いになったりしたわけではなく相変わらず夢中でしたが、聴く機会も減りましたし、ロックついて親友新保君と話す事もほとんどなくなりました。
そんな中、下のアルバムが発売されました。クリエイションの「スーパー・ロック」です。

クリエイションとは言っても、もう数年前のクリエイションではありません。ツイン・ギターもありません。そして竹田和夫さんのレスポールからのあの「マイルドな歪み」もありません。いわゆる「歪みのない生音(ノンエフェクト)」です。
以前このブログでも紹介したムー一族での「暗闇のレオ」や「スピニング・トー・ホールドNo2」である程度「免疫」はできていましたが、想像以上のサウンドでした。「クロスオーバー」通り越して「ジャズ」まで行ってしまっているものもあります。
このアルバムで「ダイレクトカッティング」という技術で録音されたサウンドを初めて聴きました。大したオーディオで聴いていたわけではありませんでしたが、それでもダイナミックレンジの広さに驚かされ、目の前でヘッドホーンをつけてギターを弾いている竹田さん達の姿が想像できるものでありました。「なぜにダイレクトカット?」と思いました。今考えると「リトナー&ジェントルソウツ」がダイレクトカッティングでヒットを飛ばしていたこともあり、それを意識しての事と思いますが、この時はまだ「リー・リトナー」というギタリストを知る以前でした。
このアルバム、竹田さんのギターもさることながら竹内さんのファンキーなチョッパー・ベースと樋口さんのパワフルなドラムスは最高でした。
ただ、今改めて聴くと、当時の感想とは若干感じ方が違います。
まず、これはいわゆる「クロスオーバー(フュージョン)」とは違います。竹田さんの中のロック、ブルースが当時流行の音楽とブレンドされた結果の成果物で他のフュージョンとは一線を画すものであったという事。
そして、「危険な関係のブルース」の「どジャズ」の演奏、大学時代からジャズを聴き始め、現在もずっとジャズギタリストとして活動している今の自分が改めて聴いてみると「???」ですね、正直に言うと。
そして、このアルバムを楽しんで聴いている僕にビッグニュースが舞い込んできます。