僕の音楽史(53)
森園さんのギター・クリニックで衝撃を受けてギターを弾く気がなくなってしまいましたが、そこで会った同世代のギタリスト達が皆大好きな「プリズム」というバンドについては早い機会にレコードを聴かなくてはいけないと思いました。
身近なところにプリズム・ファンがいました。山口君という、新保君と同様に同じクラスの友人が、意外にもギターを練習していて、プリズムに狂っていることを知り、彼から発売済みのファースト、セカンド・アルバムの2枚を同時に借りました。皆さんもご存知と思いますがこの2枚ですね。


バンドのメンバーを見ていきます。ギタリストは「和田アキラ、もう一人いる?ツインギターか・・・あっ?なーんだ」
どおりで「森園勝敏クリニック」にみんな集まってきたわけです。森園さんがメンバーに加わっていました。みな「四人囃子の森園さん」というより「プリズムの森園さん」に集まってきたのですね。こんなことも知らないなんて、本当に情報に疎かったですね。
さっそくファーストのA面から一気に聴きます。
ファーストA面は以前ブログにも書いた「ギター・ワークショップ」や森園さんの「レディ・バイオレッタ」などで比較的想像できる演奏で、曲は気に入りましたがそんなに驚きませんでした。ところがB面に行って、Viking-Ⅱのギターソロでぶっ飛んでしまいます。
「なんじゃこれ、速っー!」
ヘビメタ系の曲芸ともいうべきギタリスト達もまだいない時代、とても人間技とは思えませんでしたし、ロックギタリストの速弾きとは異質でした。
いっきに2枚を通して聴きました。 「和田アキラ」さん、もう圧倒的なテクニックでした。とてもこの世のものとは思えません。そしてもうひとつ感心したのは、そんな和田アキラさんのプレイを前にしても変わらぬ存在感を見せる森園さんのセンスの光るプレイでした。
「こりゃ、凄いバンドだ!」
ある時期、カセットテープにこの2枚を録音し、家に帰ってから寝るまでは明けても暮れても「プリズム」ばかりエンドレスで聴いていました。風呂に入ってる時も洗面所にまでラジカセを持っていく始末でした。
昔のツェッペリンやパープルなら、気に言った曲は即フレーズコピーをやって、ギターも上達していったのですが、和田アキラさんやプリズムは本当によく聴きましたが、全く音が取れず真似もできなかったので、自分のギタープレイには影響を与えるものではありませんでした。