僕の音楽史(51)
少し話題を変えて、僕のギターの話をします。ちょっと自慢になる部分もあることをお許しください(笑)。
僕は以前もお話しした通り、この当時はいわゆる「ハード・ロック・ギタリスト」でした。プレイ・スタイルは「ジミー・ペイジ」「ジェフ・ベック」「リッチー・ブラックモア」の3人をベースにして、加えて直近でかなりコピーしまくっていた「竹田和夫」さんの影響が色濃く出ていました。楽器は兄が以前高校入学祝いで買ってもらった「グレコのレスポールモデル」を使っていました。自分で言うのもなんですが、当時の高校生としては結構いい線いっていたと思います。バンド活動はやっていませんでしたが、数回程おじさんのバンドで人前で演奏したりしたこともあり、対バンのミュージシャンはみな驚いて加入を促されたり、「一緒にツアーに行かないか?」と誘われたりしました。まだ高校2年生でもあり、教育熱心な家庭環境だったので、もちろんそんな道には足を踏み入れる勇気もありませんでしたし、そこまでの音楽に対する強い気持ちもその時点ではありませんでした。
正直、ロック・ギターに関しては有頂天になっていた僕は、前回の「ギターワークショップ」のレコードを聴いたのをきっかけにロックへの興味がかなり薄れ、クロスオーバーへと気持ちは移っていったのですが、自分のギターの方法論はこのジャンルには全く通じないことがわかり、愕然としました。
ロック・ギターの時と同じく、まずはレコードの音を耳コピすることから入ります。リッチー・ブラックモアで鍛えていて(笑)、そこそこ指回りはよかったのですが、弾けるのはテーマ部分だけで、ソロ部分になると全く何をやって良いかわかりません。しかも、頭で理解できていないので、絶対音感のない僕は耳コピもうまくできないのです。
ギターに関して、この時初めて挫折感を味わいました。当時学校の成績はあまりかんばしくはなかったのですが、それはやっていないからそうなっているだけであって、やればできる自信はありました。今までもそうでした。でも、今回のギターに関しては、やってもできるようになる気がしませんでした。教えてくれる人もいません。教則本もありません。ロックの世界に戻ろうかとも思いましたが、もう気持ちがロックに向いていない以上それも無理でした。自分の歪んだ音でのギターソロ、ほんのこの前まで弾いていて気持ちが良かったものが、全く気持ちよくなくなってしまいました。
一方、クラシック・ギターについては、高校のクラブ活動は既にやめていましたが、教室にはまだ通ってました。ただ、これも高2の秋ごろ、ずっと断り続けていた発表会に出演したことを最後に辞めてしまいました。「アルハンブラ宮殿の思い出」までは続けようと思っていたのですが、その直前の「トレモロ演奏の練習曲」が何か月やってもうまく弾けるようにならず、結局「アルハンブラ」までやることなく挫折しました。この曲、大人になってから再挑戦して半年ほど練習しましたが、結局弾けるようにはなりませんでした。
こんな感じでギターについては、ロックとクラシックの挫折感を味わっていた僕に、追い打ちをかけるように自信を喪失させる事件が起きます。
次回をお楽しみに。




