ギター購入騒動記(2)
これはまだ誰にも話していない事なのですが、「爆買い」のきっかけは2016年3月10日赤坂Virtuosoというライブハウスでの出来事です。この日の出演者はギタリスト松原慶史君(よっしー)のトリオでした。
彼とは、今でこそ数か月に一回のペースで一緒のステージに立たせてもらってますが、この時点で全く面識はありませんでした。FBのジャズギター研究会にアップされた動画を見ていて、「上手いなー」と感心していましたが、その時点で友達つながりになっていなかったと思いますし、ライブも当日まで行く予定ではありませんでした。
ライブ当日、僕は午前中は人間ドックでした。検診を待っている間、スマホでFBを見ていると、よっしーのライブご案内投稿に、FBジャズギター研で知り合った大学の先輩でもある須山さんが「今日行きます」とコメントしていました。これは絶好の良い機会と思いました。よっしーのギターを生で聴けて、須山さんにもご挨拶できる!この時点で、僕はまだVirtuosoに行ったことはありませんでした。須山さん以外にも、江尻会長他何人かジャズギ研でよく記事を投稿されている方も行くようです。そして、ギタリストの矢掘孝一さんにもお会いできるなと思いました。(矢掘さんは僕がギタリスト布川俊樹さんに習っていたほぼ同じころ、布川さんに習っていて、布川さんを通じて名前はよく聞いていましたが、面識はありませんでした。)よっしーの生演奏とごあいさつの両方の目的で行ったこのライブが、僕のギターや音楽に対する考え方を一変させ、ギター爆買いに走る大きな出来事になるとは、その時は思ってもみませんでした。
ライブは、予想以上に素晴らしいものでした。その時の感動は翌日ライブレポートとしてジャスギ研に投稿しましたので、見ていただければよいのですが、ことギターに関しては、僕にとって、今まで持っていた固定概念をひっくり返される出来事でした。
・ソリッド(スクワイヤーのテレキャス)でもあんな太くて、Jazzyな音が出せる。
・安価なエレガットでも、素晴らしいバラードプレイに見合った音が出る 。
・エフェクターは、うまく使えば、自分の個性を引き出したり、弱点補強の道具になる。
今までの自分はこだわっていました。ジャスは「フルアコでフラットワウンドの太い弦を張り、生音を分厚いピックで弾く。それがジャズギターだ」と。僕はロック、フュージョンからジャズの世界に入ったので、ソリッドやエフェクター等に全く抵抗はありませんでしたし、むしろ大好きでしたが、自分はやらないと思ってました。自分が闘う土俵ではない、それは自分のポリシーに反すると。僕は「ジャズギター」を弾くぞって思ってました。少し自慢になりますが、過去数々のコンテストで賞をいただきました。その時の審査員ギタリストはいつもこう言います。「 フルアコにアンプ直結の生音、これがジャズギターだね。」「エフェクトに頼らず勝負かけてきたのは、君だけだよ。」 ずっと、これらのコメントが引っかかっていて、無意識に自分に鎖を着けていたようです。
このライブを見てから、自分の中で何かが壊れました。そして「本当はレスポールやストラトを弾きたいじゃないの?」とささやきかけるもう一人の自分が現れるようになりました。「何こだわってんだよ!もう50代だろ?元気にギター弾いてられるのはそう長くないぞ。こだわりは捨てて、好きなことやれよ!」ともささやいてきます。
行動を起こそうと思いました。ソリッドギターを物色しながら、まずはボディ割れが発生しているオベーションをどうにかしようと思いました。
以下次号へ続く
【この時点での所有楽器・機材】
前回と変わらず