Pat Martino奏法研究(56)
今回は13小節目から16小節目の解説です。
前回説明した12小節目B♭m7-E♭7を橋渡しにして13小節目でFメジャーに転調しました。まず、お断りがありますが14小節目がEm7♭5-A7となっていますが、Gm7に訂正です。一般的な譜面はGm7になっていますし、話を簡単にするためにここではそう考えてください(結局同じことなのですが、ここではあえて言及しません。)。
13~16小節は、何のことはありません、FメジャーのⅠ-Ⅱ-Ⅲ-Ⅵです。マイナー・コンバージョンを無理にするまでもないのですが、パット・マルティーノ奏法ってことですからあえてコンバージョンするとF△7⇒Gm7もしくはF△7⇒Dm7です。
F△7⇒Gm7と考えてGドリアンを弾くはわかりますよね?F△7はFイオニアン、つまりFをルートにしたドレミ・・・・を弾けばよいです。このFから始めたドレミファ・・・をGから始めるとGドリアンスケールです。要するにこう考えればこの2小節はFのドレミファ・・・(=Gドリアンスケール)で弾けてしまいます。
F△7⇒Dm7と考えてDドリアンを弾くについては過去の(15)を復習してください。C⇒Am7で説明してます。Dドリアンの構成音であるB音がF△7のコードでいう増4度のテンションになるので慣れない人は違和感を感じると思いますが、これをうまく使えればすごくかっこいいフレーズとなります。参考動画では前者のGm7(Gドリアン)の方でやってますので、ご了承ください。
Am7♭5⇒Cm7(Cドリアン)、D7♭9⇒E♭m7(E♭ドリアン)はそれぞれ過去の投稿(17)、(16)をご覧ください。これ、マイナー・コンバージョン・コンセプトの一番大事な部分です。これを体得しないと何のためのコンセプトかってことになります。
Am7♭5の部分、パットはバックのサウンドが♭5を鳴らしているのに、平気でナチュラル5thのAm7と考えてAドリアンを弾きます。これが強力な緊張感を生みますが、バラードなどのゆっくりとしたテンポでは要注意です。上級者向けですね。彼の一番有名な演奏とも言える「酒バラ」の三小節目も確かそんな感じで弾いていたと思います。
動画を参考にやってみてください。
次回はステラの一番特徴的でかっこいい部分ですね。
