僕の音楽史(40)
ツェッペリンの「狂熱のライブ」にノックアウトされた夏休みが終わりました。そして二学期が始まると、そろそろ文化祭の準備の声が聞こえてきました。
「武田、この譜面さらっておいて!」
ある時、部長が僕のところに譜面を何枚も持ってきました。そうです、以前このブログにも書いた通り、僕は音楽的趣向と全く真逆で、そして部員の女子(の先輩)目当てにクラシック・ギター部に入っていたのでした。
「文化祭でやるから」
「えっ?!」
文化祭でやるなんて全く想定外でした。頭の中は女子の先輩と毎日楽しく遊ぶことだけでしたが、よくよく考えると文化祭で発表会をするのは、文化部では当たり前のことでした。浅はかでした・・・(笑)。
前にも書きましたが、クラシックギターに関しては部長は断トツ上手くって、僕が二番手でした。もうひとり男子でそこそこ上手な人がいて、あとの部員は、初めてまだ間もない人や高校に入ってから始めた人も多かったので、合奏となると、僕も結構頑張らなくてはいけないようです。「さぼり」という選択肢はありませんでした(笑)。
譜面を見ると「ブランデンブルグ協奏曲第5番(バッハ)」です。当時は当然ですが知りませんでした。でも、部長に1stギターのメロディーを弾いてもらったら、聴いたことのある有名な曲でした。ただ、僕は2ndギターだったので、いわゆる主旋律ではなく、一人で譜面をさらっていても曲のイメージがわかず、苦労しました。今のように、Youtubeもない時代ですし、レコードを買う気にもなりません。まずは譜面の音符に全部「ドレミ・・・」を書いて、必死になって練習しました。
もう一曲の方は割と楽勝でした。「展覧会の絵(ムソルグスキー)」でしたので・・・(笑)。EL&Pを通して知っている大好きな曲でしたし、メロディーを空で歌えることができるくらいでした。
あともう一曲、部長の知り合いの方のバイオリン、ビオラ、そしてオルガンをゲストに呼んでの合奏曲をやりましたが、残念ながら曲名は覚えてません。
本番の文化祭での演奏はどうだったのか?うまくいったのか?の記憶は実のところ全くありません。記憶に残っているのは、文化祭の後の打ち上げで、気に入った先輩の女の子と「コーラ」「オレンジジュース」でずっと話ができたこと、そして「やっぱり俺はクラシック・ギターには向いていないな」と改めて感じたことの二つだけです。
クラシック音楽そのものはそんなに嫌いではありませんでしたし、ナイロン弦の音も悪くはありませんでした。でも、やはり、合奏、しかも2ndギターってのは、僕的にはどうしても嫌でした(笑)。「One Of Them」では嫌なのです(笑)。ギターは僕一人で良いのです。そして、見に来てる人には、「自分のことを見て欲しい」のです。この気持ち、正直言うと、今もそんなに変っちゃいないのだと思います(笑)。
前に、このブログで「中学の文化祭で、エレキでソロを弾いた」時の話を書きましたが、その時は、凄くたくさんの人が見に来てくれたし、演奏後も女の子にきゃーきゃー言われてましたし、ファンクラブもでき、手紙をもらったりしました(笑)。クラシック・ギター部ではそんなことは絶対起こりえないのだなと思いました。
クラシック・ギター部をやめようと思いました(笑)。人間のクズですね!


