Pat Martino 奏法研究(14)
D7から話を始めようと思います。
まず下の図1をご覧ください。ロック、ブルース、ジャズギターを勉強している方なら、ほぼ全員が知っているD7の押さえ方と思います。正確に言うと、D7の9thの音が入ってます。ファンキーなカッティングによく使われるやつですね。図2はどうですか?これは、ロック、ブルース系の方はもしかしたらこの押さえ方では使わないかもしれませんが、ジャズギタリストは皆さん絶対に知っている押さえ方ですね。そう、Am7です。
2つの図を比べて見てください。違いは2箇所。赤丸の部分です。トップの2弦、3弦のE音、C音が変わっていないので、ざっと弾いたときにサウンドカラーに大きな違いはないように聞こえませんか? ポローンとゆっくりアルペジオっぽく弾いてはいけません。ひとつひとつの音が個性を発揮して、違ったサウンドに聴こえてきますから・・・。あくまで、ざっと弾いてくださいね。

また、下の譜面は今までもなんども紹介してきたAm7で使用するAドリアンスケールです。先ほど図1と図2との比較で、D7がAm7と違っていた赤丸の音D音(5弦5フレット)F♯音(4弦4フレット)はちゃんとスケールの構成音です。だったら、「D7をAドリアンで弾いてもいいではないか!」これが、マイナーコンバージョンコンセプトの一番根本的な考え方なのです。

しつこいようですが、勘違いする方が大変多いので、改めて注意点をいくつか。
1.D7⇒Am7の矢印⇒は「頭の中で置き換えて(コンバージョン)して考えてアドリブ演奏できます。」ということで「D7のコードはAm7に置き換えて弾けます」ということではありません。
2.D7がいつでもAm7で考えていいということではありません。コード進行のなかで、D7をどういう位置付けで使っているかによって置き換えも違ってきますし、また、1通りでもありません。(今回はD7一発を想定してます)
どうですか?こんな感じで、なるべく理論書のような説明ではなく、図や簡単な言葉でアバウトに説明していこうと思います。また、音源や動画で理解の手助けをしていきたいと思います。
【補足】
理論書では「D7はDミクソリディアンスケール、Am7はAドリアンスケールを使用してアドリブする」って言ってます。一方、僕は「D7もAm7もAドリアンスケールを使用してアドリブする」って言ってます。僕は嘘つきなのでしょうか?それとも理論書が間違ってるのでしょうか?下の図をご覧ください。Aドリアンスケールを「Aから始めりゃAドリアン、Dから始めりゃDミクソリディアン」なのです。結局二人は同じことを言ってるだけなのです。
だったら、覚えること少ない方がいいでしょ!
