Pat Martino奏法研究(53)
今回は8小節目のA♭7の部分です。
まずは一般的なマイナー・コンバージョンからです。A♭7 ⇒ E♭m7 とコンバージョンしてE♭ドリアンスケールを想定して弾きます(動画1)。こう考えると前の7小節目がE♭△7ですからE♭△7→E♭m7となって、前の小節のE♭をマイナーで弾けば良いのだ(G音をG♭に、D音をD♭に変える)ということがわかります。もしくはE♭△7を前回の解説のようにCm7とコンバージョンしてCドリアンスケールを想定して弾いていれば、それを単三度(フレットを上に3個移動)上げて弾けばE♭ドリアンを弾くことができて、とりあえず音は外しません。
ちなみに動画は1も2も5小節目のFm7辺りから弾き始めています。
次にパットが結構頻繁にやるのは、A♭7をコンバージョンして考えずにA♭7のまま考えて、A♭ブルース・ペンタトニック・スケールを弾きます(動画2)。これは、ドリアン・スケールで延々と続くギターソロが、ともすれば単調になりがちな感じを一気に引き締めるのに効果的です。安定したドリアンモードが急に「えっ?」という感じになり、うまくハマるととてもカッコ良い感じになります。
理論が全くだめという人は、ここからの文章は気にしなくてよいと思いますが、参考までに書いておくと、A♭7をE♭m7にコンバージョンして、E♭ドリアン(マイナー)を弾くことは、次の9小節目がB♭△7ですから、結果としてB♭に解決に向かうためのサブドミナントマイナーを弾いていることになります。
次回は今まで解説してきた復習を兼ねて、1小節目から8小節目まで通して弾いてみます。
それでは!
