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Pat Martino奏法研究(53)

【第6章】スタンダード曲への活用(5)

 今回は8小節目のA♭7の部分です。

 まずは一般的なマイナー・コンバージョンからです。A♭7 ⇒ E♭m7 とコンバージョンしてE♭ドリアンスケールを想定して弾きます(動画1)。こう考えると前の7小節目がE♭△7ですからE♭△7→E♭m7となって、前の小節のE♭をマイナーで弾けば良いのだ(G音をG♭に、D音をD♭に変える)ということがわかります。もしくはE♭△7を前回の解説のようにCm7とコンバージョンしてCドリアンスケールを想定して弾いていれば、それを単三度(フレットを上に3個移動)上げて弾けばE♭ドリアンを弾くことができて、とりあえず音は外しません。

ちなみに動画は1も2も5小節目のFm7辺りから弾き始めています。



 次にパットが結構頻繁にやるのは、A♭7をコンバージョンして考えずにA♭7のまま考えて、A♭ブルース・ペンタトニック・スケールを弾きます(動画2)。これは、ドリアン・スケールで延々と続くギターソロが、ともすれば単調になりがちな感じを一気に引き締めるのに効果的です。安定したドリアンモードが急に「えっ?」という感じになり、うまくハマるととてもカッコ良い感じになります。



 理論が全くだめという人は、ここからの文章は気にしなくてよいと思いますが、参考までに書いておくと、A♭7をE♭m7にコンバージョンして、E♭ドリアン(マイナー)を弾くことは、次の9小節目がB♭△7ですから、結果としてB♭に解決に向かうためのサブドミナントマイナーを弾いていることになります。
 
 次回は今まで解説してきた復習を兼ねて、1小節目から8小節目まで通して弾いてみます。

 それでは!

STELLA BY STARLIGHT-408

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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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