僕の音楽史(37)
何回かこのブログに登場しているジャズ好きのドラマーのおじさんがある時カセット・テープを持ってきました。
「これ聴いてみろ、かっこいいから!」
カセットには「クリエイション・スタジオ・ライブ」とだけおじさんの手書きで書いてありました。おじさんに聞くと「昨年(76年)12月頃のスタジオライブで、たまたま雑誌で番組を見つけたので録音した」とのことです。
クリエイションについては以前も何回か書いてきましたが、僕の尊敬するギタリスト「竹田和夫」さんをリーダーとする日本の誇る素晴らしいバンドです。ただ、セカンドアルバムで「フェリックス・パパラルディ」とのコラボがあまり気に入らなかったので、僕の中でテンションは下がりかけていました。
早速聴いてみます。そして、すぐに脳天をハンマーで殴られたような衝撃を受けました。
「すげー!」
カセットにはファースト、セカンド、そしてなんとレコーディング中の未発表サードアルバムの曲が収録されていました。クリエイションのライブはカセット・デンスケでの生録で物凄いサウンドは何度も耳にしていましたが、このテープはスタジオ・ライブということもあって、録音が無茶苦茶良く、演奏のクオリティも最高です。中でも、和夫さんのギター、僕がスタジオ盤や今まで聴いてきた彼の生録の演奏全ての中でもこの日の演奏はベストと言える素晴らしいものでした。ソロの影でうっすら聴こえてくる感極まっての彼の唸り声もライブ感があって抜群です。
演奏も凄かったのですが、なっといっても、竹田さんのレスポールから奏でられた音の素晴らしさに言葉を失ってしまいました。甘く透明感のあるサウンドというのでしょうか。こんな美しいサウンドでプレイするロックギタリストは今まで聴いたことがありませんでした。レスポールのサウンド、僕は今でもBBAライブでのジェフ・ベックの音、そして、この日の竹田和夫さん音がレスポールで演奏されたサウンドの最高峰だと思っています。そして、この日演奏した「トーキョー・サリー」での中間部のソロ及びエンディングでのソロは今聴いても泣けてきます。今、皆さんにその演奏をお聴かせすることができないのが非常に残念ですが、必ずこのブログを通してご紹介したいと思います。
サード・アルバムのリリースが待ち遠しくなりました。
やはり、「竹田和夫」さんは本物でした....。

