Pat Martino奏法研究(52)
今回は7小節目のE♭△7の部分です。
E♭△7はまず普通マイナー・コンバージョンで考えるより、「E♭をキーのドレミファ・・・を弾く」と考えることが簡単で良いように思いますね。或いは、「E♭△7のD音(メジャーセブンス音)から始めるアルペジオを弾く」とか。パットもこのアルペジオ、まんま弾いたりします。しっかりと抑揚をつけて弾けば、基礎練習でやるアルペジオもいわゆる「フレーズ」に生まれ変わりますよ。逆に言うと、普段の基礎練習がいかに大切かということにもなります。
では、マイナー・コンバージョンをあえて当てはめますね。E♭△7⇒Cm7と考えてCドリアン・スケールを弾いてみます。
少し違和感のある音がありませんか?そうです。A音です。この音はE♭のドレミ・・・の中にはない音です。E♭キーでは#4(もしくは♭5)の強力なテンションです。
一応動画つけておきます。最初はE♭キーのドレミファ・・・のイメージ、次にE♭△7のD音からのアルペジオを使ったフレーズ、最後にCドリアンのA音を意識したフレーズを弾いてます。あまり参考になるフレーズではないかもですが、イメージは伝わりますでしょうか??
マルティーノがこの音を好んで入れるのは「E♭△7のテンションとして」ではなく「E♭△7⇒Cm7とコンバージョンしてCドリアンを弾いた」結果としてA音を使うと考えているようです。
彼のビデオや教則本を見る限り、彼は普通考える「テンション」という考え方でE♭キーのA音(#4)を弾くのではなく、あくまでマイナー・コンバージョンしてCドリアンを弾き、結果としてドリアンの特徴的な音である6度のA音を弾いているようです。
まー、どう考えてA音を弾こうが音を出すまでの過程はどうでもよいと思いますが・・・・。
次回は8小節目のA♭7の解説をしようと思います。
