僕の音楽史(34)
ツェッペリンがライブ演奏を含めたドキュメンタリー映画を製作しているという話は随分前から聞いてはいました。楽しみにしてはいましたが、耳にしてから随分立つのであまり期待はしていませんでした。そんな中、映画は完成し、ニューヨークで(?記憶違いかもしれません)でプレス向けの試写会が行われ、大絶賛だったことを知りました。それだけではなく、サウンドトラック盤という位置づけで待ちに待った公式のライブアルバムがリリースされることを知って狂喜しました。
73年マジソン・スクエア・ガーデンの演奏が収録されていると聞いて、この時はすでに盟友新保君とブードレッグで色々なコンサート音源を聴いていたので、頭の中でセットリストが浮かびました。「ロックンロール」にはじまり「祭典の日」・・・「永遠の詩~レインソング」最後は「胸いっぱいの愛を」みたいに、頭の中でサウンドが鳴ってきて、もうすでにレコードを聴いているような感じになりました。(笑)個人的には71年あたりの「移民の歌~ハートブレイカー・・・・」をオフィシャルで聴きたかったと思いましたが、贅沢は言ってられません。そして、映画がすごく楽しみになりました。日本で封切になるかも、まだ決まっていなかったと思いますが、何せ我々の中学時代、インターネットもYoutubeもない時代でしたから、「動くツェッペリン」なんて何年か前にテレビで見た「ヤングミュージックショウ」でしかありませんでしたので。
【永遠の詩(狂熱のライヴ)/ レッド・ツェッペリン】

そして、サウンドトラック盤が発売されました。もちろん僕も新保君も予約して買いました。家に帰り、早速針を落とし、ヘッドホーンの大音量で聴きます。観衆のざわめきが聴こえてきました。そして数秒後にあの「ロックンロール」のドラムのイントロが聴こえてきます。「え?!これライブ盤?!無茶苦茶音が良い!」そして間髪入れすギターとベースが入ってきます。あまりのカッコよさにもう失神しそうになりました。こんな感じで一機に最後まで聴いたと思います。今の感想とは多少違う部分もありますが、その当時思った事を思い出しながらいくつか書いてみます。
収録曲に多少の物足りなさを覚えました。これは僕の個人的なわがままですからあまり深い意味はありません。余計な曲が入っているということではなく「イエスソングズ」のように3枚組にして「ブラックドッグ」や「ミスティ・マウンテン・ホップ」「丘の向こうに」等を収録して欲しかったということです。(今では全て聴くことができるので問題なしですが。)
演奏の出来に関しては「ドキュメンタリーだ。ベストなものではない」と本人たちが言っている通り、僕も新保君も既にブードレッグで凄いテイクを聴いて、随分と耳が肥えていたので、確かにそう感じる部分もありました。でも、そんな事を語るようなアルバムではないとも思いましたし、先ほど書いたように「ロックンロール」のドラムフィルから続いて入り込んでくるギターとベースを聴くと、もう「オーラ」が漂いまくっています。そして「幻惑されて」に関して言うと、僕は現在までそれこそ何百というテイクを聴いていますが、この時のテイクが一番凄いと思います。
このアルバムで一気にツェッペリンに引き戻された感じでしたが、実は、この年にもう一枚すごく重要なアルバムが発売されているのです。
次回はそのことについて書こうと思います。
お楽しみに!