僕の音楽史(32)
【中学3年生(1976~77年)】
1年前のワールドロックをきっかけに、クリエイションとフェリックス・パッパラルディが意気投合し、一緒に活動をするという話を聞いて少し複雑な気持ちでした。クリエイションが日本のバンドとして世界に羽ばたくチャンスであると嬉しかった半面、なんか少し「俺のクリエイション」を持って行かれた気持ちがしました(笑)。フェリックスのことは「マウンテン」というロックバンドを通じて知っていましたし、あのベースサウンドは比較的好きでした。ただ、当然の事ながらフェリックスがイニシアチブを取るだろうし、ベースの松本さんとの被りや和夫さんの味のあるボーカルはどうなっちゃうのだろう?とすごく不安でした。「クリエイション」はやはり「純粋な日本人だけのロックバンド」でいて欲しかったし、竹田和夫&松本繁のツートップが音楽的方向性を定め、それに飯島さんのギターがスパイスを加え、樋口さんのドラムががっつり支えるみたいなイメージが僕の中にあったので、その4人の中に「フェリックス」の姿が全くイメージできませんでした。すごく嫌な予感がしました。そして、アルバムが発売されました。もちろん予約して買いました。

僕の悪い予感は的中しました。ファンの方もいらっしゃるのであまりひどいことは書きたくありませんが、アルバムの評価は別にして、これはもう「クリエイションではない」と思いました。和夫さんのオリジナルも全然竹田さんぽく聴こえてきませんでした。彼のボーカルも聴くことはできなかったし、飯島さんや松本さんの存在感もまるで無くなっていました。大体、アルバムの録音(ミキシング)が全く好きになれず、繰り変えし聴く気が起きませんでした。正直「同じ楽曲で、4人だけで演奏して録音し直して欲しい!」と思いました。僕の思い込みかもしれませんが、ジャケットの写真も4人は冴えない顔をして写っているように思えました。
※この時点ではまだ聴いてはいませんが、のちにこのアルバムの収録曲の何曲かはフェリックス抜きの4人で演奏しているテイクを耳にしましたが、やはり断然こっちの方がかっこ良いですね。
まー、予想はできましたが、アルバムを出して、セールのためにツアーをやって、これで5人での活動は終わりとなりました。正直安心しました。「やっと俺のクリエイションに戻ってきてくれる!」と思いました。
次回のアルバムに期待です!