僕の音楽史(26)
この時期までで好きなロックバンドはたくさんできましたが、中でも「クリエイション」「レッド・ツェッペリン」の2バンドが最も好きで、ギタリスト「竹田和夫」「ジミー・ペイジ」の二人を徹底的にコピーしまくっていました。
ツェッペリンを聴き込んでいくうちに、「ライブ演奏ではどんな演奏するのだろう?」という事が凄く気になっていきました。「クリエイション」は生録のライブ演奏から好きになったくらいだし、ツェッペリン以外に好きなバンド「イエス」「ディープ・パープル」「ユーライア・ヒープ」などもライブ・アルバムを発売していましたし、それが他のスタジオ盤を圧倒するくらいの素晴らしい作品でした。
そんな時音楽雑誌のカタログ通信販売で「海賊盤(ブードレッグ盤)」の存在を知りました。この海賊盤、要は「違法録音」の「違法作品」であるわけなんで、田舎の中学生にとって「買ったら警察に捕まる」なんてビビったりしていたわけですが(笑)、アルバムの写真やタイトル、演奏曲目を毎日眺めては、「どんな演奏なんだろう?」と想像を巡らせます。


またしても父が東京に行くという事を聞きつけ、知る人ぞ知る「新宿西口」のブードレック・レコード屋のどこででも良いから、買って来てもらうようお願いしました。在庫は何があるか分からないので、雑誌の写真から候補のアルバムをいくつか丸印をつけ「この中のどれでも良いからあるやつを買って来て」こんな感じで買って来てもらうよう頼みました。そして、父が買って来たのが「ライブ・アット・デトロイト」でした。
写真を探したのですが、ありませんでした・・・・。
収録されていた演奏は、「ロックン・ロール」から始まり「ノー・クォーター」、後のオフィシャル・ライブ「狂熱のライブ」と同じ時期だったように記憶してます。当時にしては珍しく「ハウ・メニー・モア・タイムス」をやっていました(後で本を読むと、ジミーが左指を電車で挟んで怪我をしていたので、「幻惑されて」から急遽セットリストに加えたとのことでした。)初めてライブのツェッペリンを聴いた感想は「スタジオ盤のようにきちんと歌ってほしい!」でした。どういうことかというと、ロバート・プラントの歌い方が「きちんとした音程、節回し、メロディで歌うのではなく、会話のように語り掛けるような歌い方」とでもいうのでしょうか、今はもちろんそんな歌い方の良さもわかって、素晴らしいと感じますが、初めて聴いた時は少し受け入れられませんでした。「イアン・ギラン」も「ジョン・アンダーソン」も「デビッド・バイロン」もライブでは多少フェイクして歌う事話あっても、スタジオ盤とほぼ同じ感じで歌っていました。ただ、素晴らしいと感じた部分もいくつかありました。特に「ノー・クォ―タ―」でのジミーの長尺のソロは素晴らしく、その後いろいろなテイクを聴いた後でもベストだったように思います。
ただ、このブードレッグ、正直、音質は劣悪で、ステレオの音質調整を「トレブルMax」「ベースMinimam」くらいにセッティングしないと、音が籠って聴けたもんじゃありませんでした。演奏の迫力は伝わりましたが、全体的にツェッペリンのライブの第一印象は個人的にはあまり良くありませんでした。値段も結構高かったので、正直がっかりしました。
クラスのロック好き、ツェッペリン好きの友人新保君に「海賊盤なんて買うもんじゃないぞ。そして、ツェッペリンのライブは大したことないぞ」なんて話しました。すると、 彼は言います。
「お前何聴いたんだ?!ツェッペリンのライブは凄いよ!これ聴けよ!」
差し出された海賊版は・・・・・。
次回に続く・・・・。