Pat Martino 奏法研究(10)
まずは(9-a)をご覧ください。1小節目は、前回ご紹介したPhrase-8の基本と全く同じ音列です。そして、1オクターブ下げた音列を2小節3拍目から3小節目まで弾きます。要は1オクターブ違いのフレーズを2小節1~2拍目の4つの音で繋げています。マルティーノはこのパターンが実に多いです。かっこいいフレーズを弾き、その一オクターブ下で同じフレーズを畳みかけるように弾くことによって、「これでもか!」みたいな感じが濃厚となります。
(9-b)です。1小節目4拍目からのD-F-G-G♯-G-Fの6音がフレーズの一塊です。このフレーズの繰り返しでも全然OKなのですが、マルティーノはもう「ひとひねり」あって、次の塊はD-F-G♯-A-G♯-Fとなります。3から5番目の音が半音高くなります。そして、D-F-G-G♯-G-FとD-F-G♯-A-G♯-Fを交互に繰り返します。必ず、交互にやります。この微妙に違うフレーズが交互に規則的に現れることで、彼のフレーズに独特な「うねり」をもたらします。
次回は今まで紹介したフレーズを連結し、彼独特の「休符のない長尺なフレーズ」のサンプルをいくつかご紹介する予定です。
それでは、お楽しみに!
