僕の音楽史(24)
そして、とうとうあのアルバムが発売されるのです・・・・!前回このように書きましたが、正式には数か月前にすでに発売されいたようで、僕が知らなかっただけのようでした。
問題のアルバムは「ジェフ・ベック / ブロウ・バイ・ブロウ(ギター殺人者の凱旋) 」です。

ジャズ好きでクリエイションのコピー・バンドをやっていたドラマーの叔父さんが驚喜してテープを持ってきました。早速聴いてみます。いきなりあの「分かってくれるかい?」のカッティングとファンキーなサウンドが飛び込んできました。
「えっ?これジェフ・ベック?」
「あれいつまでたっても歌が出てこないな?」
「どのギターの音がベックが弾いているんだ?」
これが最初の印象でした。当時はBBAのスタジオ盤とライブ盤、特にライブ盤ばかり聴いていて、それ以外のベックはまだ聴いていませんでした。もしこの時点で第二期ジェフ・ベック・グループを聴いていたら、ある程度このサウンドは想像できたのでしょうが、全く意外なサウンドでした。16ビートのカッティングやファンキーなリズム隊のサウンドにも耳は慣れていませんでした。
インストのサウンドにも不慣れでした。ロックというのは、ボーカルとギターが存在感示すのが当たり前と思っていました。パープルもイエスもツェッペリンもみんなそうでした。彼らもインスト作品はありましたが、パープルのインスト以外は各プレイヤーのフューチャー作品という位置づけで、あくまでおまけでした。
ギターの音色についても、楽曲に応じて色々な音色を出すのはどのギタリストも同じですが、ソロの途中やリフのほんの数小節でガラッと音を変えたりするのは、このアルバムで初めてでした。始めはタリストが何人かいるのかと思いました。
どの楽曲も慣れない16ビードとファンキーなリズム隊、でもそんなサウンドに乗ってジェフ・ベックはいつもながらのジェフ・ベックでもあり、「なんてかっこいいアルバムなんだ!」と思いました。
このアルバム、ジャズ好きな叔父が最高と言っていたくらいですから、ロック以外のジャズ系の人達からも注目され、ファン層も広がったのではと思います。これは個人的な意見ですが、このアルバムが良かったのは、変わったのは周りのサウンドだけで、「ジェフは相変わらずジェフ」だったからと思います。もし、ジェフがサウンドに合わせて意識してジャス寄りのギターを弾いていたら、ロック、ジャズのどちらのファンも離れて行ったのかもしれないですね。
【音源】
分かってくれるかい
スキャッター・ブレイン
哀しみの恋人たち