Pat Martino 奏法研究(9)
講座の冒頭で、「メジャーKeyの場合はキーはCで説明する・・・」とお話ししておりましたが、今後、今まで紹介したフレーズを使って「マイナーコンバージョンコンセプト」の説明をしていくのに、D7の方が都合が良いので、急遽変更いたしました。
「ブルーススケール」って何かというと、まずは下の譜面の4段目の音列を、音を出して確認してみてください。正式には、何と呼ぶかは知りませんが、この講座の中ではこう呼びますね。弾いてみてお分かりのように、特にロック系の人は、一番なじみの深いスケールです。僕が大好きな70年代のロックは、このスケールさえ覚えれば、ほとんどの楽曲のソロが弾けてしまいます。僕も大学2年くらいまでは、これしか弾けませんでした。このスケールのみから脱皮ができるかが、「ジャズっぽく」弾ける重要なポイントのような気がします。もっとも、ずっとこのスケールで通して弾いていても、素晴らしいギタリストはたくさんおりますが・・・。

それでは、解説に入ります。
1段目の基本形、これはジャズをやっている人なら誰でも知っているフレーズで特徴的なフレーズです。このフレーズを弾くと、ロックしか弾けないと思われていたあなたは、メンバーから「なんかジャズっぽくなったね!」と言われます。2弦6フレット、もしくは3弦10フレット人差し指F音からスタートして中指―薬指ー小指とクロマチックに上がります。最高音のAは小指をスライドさせるか、隣の弦に行っても良いと思います。
パットマルティーノ氏、上のまんま弾くこともありますが、(7-a)のように、1弦10フレットD音を小指で抑えたまま常に付加して、音に厚みを付けてます。小指を1弦10フレットでずっと抑えたままにして、最初のF音を人差し指、F#は人差し指をF音からスライドさせます。その後、G音中指、G#音は薬指、A音はG#音から薬指スライドして弾くのが良いのではと思います。彼は、このフレーズをオルタネートピッキングで、復音をきれいに出します。 意外と難しいです。
(7-b)、最初のF音は同様に、2弦6フレット人差し指、その後F#を中指、G音を薬指で弾きます。3拍目からは、スィープピッキングで、一気にF#まで下ります。譜面のとおりの音がしっかり出ていなくとも、最後のG-F#がしっかり出ていれば、雰囲気は出ます。
次回も、パットマルティーノならではのブルーススケールを使ったフレーズを紹介します。
ではでは!