Pat Martino奏法研究(45)
今回は3小節目Am7♭5の部分です。
この部分は以前解説したとおりAm7♭5⇒Cm7にコンバージョンして考えて弾いています。m7♭5はジャズ初心者の「最初の壁」と思います。ジャズ、ポップス、フュージョン系で当たり前の様に出てきますが、ロック系にはあまりないサウンドです。何と言ってもロックはパワーコード(1度と5度)の文化で♭5はあまり馴染みがないのです。ともかく 「m7♭5は短三度上のm7にコンバージョン」と頭に叩き込んで下さい。
3小節目の2~3拍の音列、ポジショニングについては次回説明しますが、この音の並び、弾いてみるとなんか聞き覚えありませんか?
そうです、E♭△7のアルペジオそのままです。
メジャー7thのアルペジオですが、ジャズ初心者では必ずやると思いますし、基礎練習に取り入れている人も多いでしょう。僕も指慣らしにいつもC△7→F△7→B♭△7→E♭△7.....とC△7に戻るまで12key を練習前に弾くのが習慣になってます。
なんでE♭△7かは説明しなくとも大体の方はおわかりかと思います。要はAm7♭5⇒Cm7⇒E♭△7って事です。わからない人はこんな説明でどうですか?「ドレミファソラシドだけでCもAmも弾ける」のは知ってますよね?これはAm⇔Cって事で、それならCm⇔E♭って事です。かえってわかりにくくなってしまいました!
それなら「マイナー・コンバージョン」じゃなくて、いきなりAm7♭⇒E♭△7、つまり「メジャー・コンバージョン」すれば良いのでは?と言う声が聞こえてきそうです。答えは「どうぞご自由に!」です(笑)。要は「フレーズの中であの音列を選んだのはどう考えたからなのか?」を説明しているだけで、Am7♭5の時にAロクリアン(Am7♭5)と考えようとCドリアン(Cm7)と考えようとE♭イオニアン(E♭△7)と考えようどうでも良いのです。
以上まとめますね。
Am7♭5⇒Cm7⇒E♭△7
日本語で言うと
「m7♭5は短三度上のm7にコンバージョンできる。そして、増4度(♭5度)上のM7にコンバージョンできる」
次はここの部分のポジショニングについて解説します。
