Pat Martino奏法研究(37)
マイナー・コンバージョンでのディミニッシュ・コードへの応用を、具体的にフレーズで解説したいと思います。
~ディミニッシュ・コードへの応用(2)~

まず上の譜面の上段を見てください。B♭7でF ドリアン(Fm7)をベースにしたマルティーノっぽいフレーズの例です。所々にF ドリアンにはない音が出てきますが、どれも経過音です。下の最初の動画を参考に弾いてみてください。フレーズを弾く前に、必ずB♭7のコードを鳴らしてから弾いてみてくださいね。鳴らすコードは前回の図1右側が分かりやすいいと思います。
前回解説した通り、「Bdim ⇒ B♭7」です。そして 「逆もまた真なり」で、相互に代理関係ですから「B♭7 ⇒ Bdim 」ということになり、先ほどのB♭想定のフレーズをまんまBdimniに当てはめます。それが、譜面の下段になります。
ここで上段・下段の譜面を良ーく比べて見てください。実は、そのまんま当てはめたわけではありません。1箇所だけ上段と違ってます。どこか気が付きましたか?
そうです、一番最後の音です!最後の音、上段はB♭、下段はBで終わってます。ここで、二番目の動画を確認してみてください。
これが、前回の最後にお話しした、当てはめる時のちょっとした「コツ」なのです。
マイナー・コンバージョンで「B♭7 ⇒ Fm7」と考え、F ドリアンスケールでフレーズを弾いた場合、B♭のブルース・スケールやペンタトニックで弾いたときに比べると、「B♭の音がルート音」という雰囲気が多少希薄です。「B♭音」はルート音ではなく「F ドリアンの中の単に4番目の音」です。
譜面上段のように、フレーズ最後の音をB♭音で終わってしまうと、「調整はB♭ですよ!」とフレーズが主張してくるように聞こえませんか?そこで、「B♭⇒ B 」でフレーズを終わるようにします。たったの1音変えるだけで「調整はBですよ!」とフレーズは主張して、俄然 「Bdim」にしっくりいくようになります。
絶対にこう弾かなくてはいけないということではありません。あくまで単なる「コツ」ですから!
次回は、もう一歩ディミニッシュについて踏み込んでみます。