僕の音楽史(11)
前回の予告通り、「成毛滋のロックギターメソッド」について書こうと思います。


この時代、「ロック・ギター」の教則本などは数えるほどしかありませんでした。みんな、「明星」「平凡」に付いてくる歌本(意味が分からない方は、ネットで検索してみてくださいね【笑】)とコード本で必死に練習していました。でも、コード本のコードをそのまま弾いても、全然ロックっぽいサウンドにならないことに皆気が付いていました。Youtubeなどない時代ですし、テレビでも海外ロックバンドの映像などは、以前お話ししたNHKの「ヤングミュージックショウ」が年に数回あるだけで、全くどうしていいかわからないでいました。そんな時に兄が買ってもらったグレコのレスポールに付録で付いてきた「成毛滋のロックギターメソッド」が全てを解決してくれました。
まず、教則本だけでなく、カセットテープ付きなのが大変助かりました。クラシック・ギターは習っていましたが、読譜が苦手でした。この教則本・カセットでそれこそ、役に立たぬことなど一つもなかったのですが、今後のギター人生に大きく影響を及ぼしていることとして、大きく4つの事がありました。
「ブルーノート・スケール」「チョーキング」「空ピック」そして「レッド・ツエッペリン」です。
「ブルーノート・スケール」、正式にはなんていうか分かりませんが、Key=Aで言うとAーC-D-D#-E-G-Aの音列です。当時聴いていたわずかばかりのロックバンドで、「アドリブ演奏」で使える音は、何となく掴んでいましたが、これで頭がすっきりしました。僕が当時聴いていたロックバンドのほぼ90%は、このスケールの音で弾けば上手く弾けるってことがはっきりしました。上手く弾けないのは、「イエス」だけでした。
「チョーキング」、これも、技としては何となく知っていましたが、このカセットのおかげで「このフレ―ズでは必ずチョーキングで1音上げる」みたいな感じで「フレーズ」に合わせて手癖にすることができました。
そして「空ピック」です。確か「8ビート・ピッキング」という言い方で説明してたと思います。要は「8分音符主体のリフ、音を出す、出さないにかかわらず、常にピックはUP-DOWNを繰り返す」ってやつです。音を出さなくても、ピックを「空で動かす」ことから、そういうのですが、成毛さんは「外人は天性のリズム感があるから、自然とこのように弾く。日本人はリズム感がないから、練習しないとこれができない。」と言い切っていました。自慢じゃないですが、僕は最初っからこういう風に弾いていました。「俺ってもしかしたら才能あるのかな?」と思ったりしてました(笑)。
カセットの中で、成毛さんは一言目には「ジミー・ペイジは・・・・」「ツエッペリン」は・・・・」、例題曲もツェッペリンの「移民の詩」と「胸いっぱいの愛を」でした。
そんなに言うなら「ツェッペリンとやらを聴いてみるしかないか。例題曲も結構かっこ良かったし・・・・」
これが、僕とツェッペリンとの長いお付き合いの始まりです。
次回から、いよいよレッド・ツエッペリンが遅ればせながら登場してきます。
お楽しみに!
【音源】
なんと「成毛滋のロックギター・メソッド」をYoutubeで聴くことができます。
※このメソッド、初級と上級の2種類あるのですが、ギターに付いてきたのは初級だけで、その後初級をマスターした後、ギターショップ「アポロン」で購入しました。
成毛滋のロックギターメソッド初級A面
成毛滋のロックギターメソッド初級B面