僕の音楽史(10)
この年、僕は近所の市立関屋中学校に入学しました。同じタイミングで、3つ上の兄は県立新潟高校に入学しました。地元の公立中学に進学した僕とは違い、兄の場合は高校受験で合格して進学した事もあり、「合格祝い」を買ってもらうことになりました。僕と同じくロックにハマっていた兄は「グレコ・レスポール・モデル」を買ってもらうことになりました。
この時点では、我が家にあるギターは、僕が所有する「クラシックギター」と、以前のお話しにも書いた、親戚から手に入れた「メーカー不明のセミアコ」、そして「グレコのジャズベース」でした。「グレコのジャズベース」が何故あるのかというと、兄がEL&Pのベーシスト「グレッグ・レイク」がお気に入りで、何年か前に買ってもらっていました。僕はギター以外には全く興味がなかったので、手にすることはありませんでした。
兄が購入したエレキ・ギターは写真の楽器「EG-420」です。

このころのエレキギターと言ったら、「ヤマハ」か「グレコ」位でした。少なくとも、中・高校生が手に入れることのできる国産品で、知名度があったメーカーはこの2社位でした。他は少年漫画「マガジン」「サンデー」の広告に出ているような、聞いたこともない怪しげなメーカーしかありませんでした。「ヤマハ」はオリジナルな形状の楽器を強く打ち出し、あまり気に入らなっかたようで、迷わずグレコのレスポールモデルにしたようです。僕もそれで大賛成でした。今と違い、エレキギターのメーカーや種類、在庫は少なく、地方の新潟では、ギターショップは1件しかなく、選択肢は限られていました。
今思うと、このギター、ツエッペリンのジミー・ペイジが持っていたギブソン・レスポールをコピーしたモデルのようですが、なんとこの時点で僕はツエッペリンを聴いたことがなかったのです。小学校でイエス、パープル、ユーライア・ヒープと早熟な割には、ど真ん中を外している偏った趣向でした。

初めてまともなエレキギターを手にすることができ、兄弟二人とも学校から帰ると交代で必死に練習していました。兄は快く貸してくれましたし、運動部に入ったことで、帰宅も遅くなってきたので、だんだん練習する時間も無くなってきたようで、ほとんど僕がメインで練習するようになりました。ギターも素晴らしかったですが、付録でついてきた教則本(カセット付き)が素晴らしいものでした。ご存知の方も多いと思いますが「成毛滋のロックギターメソッド」です。
この教則本については、次回に詳しく書こうと思います。このテキストとの出会いは僕のギター・音楽人生を左右するほどの大きな出来事でしたので・・・・。
