僕の音楽史(8)
まだまだこの時代の話が続きます。
●ディープ・パープル
ユーライア・ヒープ、イエスとのめり込み、ここで「ディープ・パープル」の登場です。これまた、兄が友人から借りてきました。もう説明の必要もありません。「ライブ・イン・ジャパン」です。


曲も最高にかっこよく、メンバー5人の技量に驚かされました。特にリッチー・ブラックモアのまろやかなギターのトーンとイアン・ペイスの切れ味の良いドラミングにはしびれました。このころから、部屋で大音量でステレオで聴くようになって、「チャイルド・イン・タイム」でのイアン・ギランの叫び声で、いつも母親が「もっと小さくかけなさい!」と部屋に注意しにやってきました(笑)。この時点では、まだスタジオ盤は聴いていなかったので、のちに中学入学して、このアルバムに収められている数々の名曲のスタジオ・テイクを聴いたときに少し物足りなく感じてしまいました。
ユーラーア・ヒープとディープ・パープルを聴き、ロックはエレキ・ギターのリフがかっこ良いかどうかで、評価が決まるのだなと理解しました。この時点での僕の憧れのギタリストは「テクニックのリッチー」「クライ・ベイビー(ワウワウ)のミック・ボックス」そして「クラッシックも弾けるスティーブ・ハウ」の3人でした。
●EL&P
もうひとつ忘れてはいけないバンドがありました。「エマーソン・レイク&パーマー」です。キッカケは僕ら世代の人達はみな知っている「ヤング・ミュージック・ショウ(NHK)」です。この番組、NHKが当時不定期(?)で放映していて、先のパープルやイエス、ツエッペリンなども登場しています。海外の有名なジャズやロックのコンサートやスタジオ・ライブの映像を流す優れた番組です。インターネットもYoutubeもない時代、唯一「動く海外ミュージシャン」を見ることができる機会がこれでした。


この番組で「EL&P」の映像を見て、「キーボードにナイフを刺す」キース・エマーソンにしびれました。またまた兄が「展覧会の絵」を借りてきました。この中でも、「ナット・ロッカー」、クラッシックの名曲を拝借して作った曲がお気に入りでした。ただ、ベースのグレッグ・レイクがたまにギターを弾くものの、「ギタリストがいない」バンドだったことや、シャウトするボーカルではないこともあって、このアルバム以外は聴きませんでした。最初に「タルカス」を聴いていたら、また違っていたかもしれませんね。
小学校時代は、こんな感じでした。小学校にはロックを聴いている友達が全くおらず、情報元が3つ上の兄と当時定期購読していた「ミュージック・ライフ」という雑誌だけだったこともあって、そんなに多くのバンドを聴くわけでもなく、限られた数のバンドの気に入った曲を、それこそレコードが擦り切れるまで聴く、そんな感じでした。Youtubeなど存在せず、また家庭にはビデオ・デッキなどは一部のお金持ちの家庭にしか存在せず、したがって「動いている姿」をほとんど見たことのない状態で、写真とレコードの音だけで、彼らロックスターのことを色々想像していました。今考えるとそれも良かったのでは?と思う時があります。
【音源】
ディープ・パープル/ハイウェイ・スター
ディープ・パープル/スモーク・オン・ザ・ウォーター
EL&P/ナット・ロッカー