FC2ブログ

僕の音楽史(242)

【2017年】6月

 予定通り6月に中野ピグノウズで行いました。この日はドラムスの丸谷茜さんと初共演でした。動画で彼女の演奏を聴いてはいましたが、一緒に演奏するのは初めてでした。一緒に演奏して問題なければ、今後もレギュラーで叩いていただくようお願いするつもりでいました。

akane2.jpg

 簡単なリハをやりました。彼女は事前に送っていた譜面をクリアフォルダに入れていて、簡単に内容をさらっているようでした。まあ、一緒に演奏してきたミュージシャンの中では珍しいタイプですw。大概は譜面を忘れてくる人達がほとんどです(もちろん演奏はしっかりやってくれるのですが)。几帳面な性格がとても気に入りましたw。そして、リハの一曲目、たしか「マンデイ・ブルース」だったと記憶していますが、テーマを弾いた後の僕のソロの数秒くらいのフォービートのレガート、これでもう彼女にお願いすることに決めました。思ったとおり、いやいや、想像以上に気に入ってしまいました。

 当日のライブはとても楽しいものとなりました。当日はスーパーベーシスト「落合康介」君にもお願いしていて、とても熱いプレイができたと思いますし、ピアノの阿部君も自ら「ピアノ・トリオで一曲やらせてください」なんて言ってきたくらいですから、彼もこの日の演奏を楽しんでいたのだと思います。

 彼女のプレイ、それはもう、素晴らしいものですが、僕が気にいた点をいくつか書いてみます。

 4ビートでレガートしている時に踏む2拍4拍のハイハット、この切れ味が素晴らしく、とても正確です。しっかりと耳に刻まれるので、僕のような8分音符、16分音符で長尺フレーズを弾くギタリストにとっては無茶苦茶弾きやすいのです。この切れ味ですから、早いテンポで4拍踏む時はもう、抜群の疾走感です。

 太鼓の音、シンバルの音、どれもダイナミック・レンジが広いことです。聴こえないような音から爆音まで、どの音も躍動している感じです。

 構成力が素晴らしいです。ソロについても、一曲通しても、常に起伏や起承転結があって、聴く人を飽きさせません。また、マレットを使ったり、平手で叩いたりと音も多彩ですし、「次は何やっってくれるのだろう?」と演奏していても楽しみです。

 とうとうお気に入りのドラマーを見つけました。そして、彼女もスケジュールの空いている限りは叩いていただけるとのことで、こうして、レギュラーで活動するメンバー4人が新たに決まりました。 

 武田謙治(g)阿部義徳(p)座小田諒一(b)丸谷茜(ds)の4人です。

kenji1.jpg abe1.jpg
zako1.jpg akane3.jpg


 

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

僕の音楽史(241)

【2017年】4月

 何回かに渡って書いてきた、ミュージシャン紹介時のお話と時系列的に多少話が前後する部分があります。

 自分のバンドで、レギュラーで叩いてもらえるドラマーを変わらず探していました。一年ほど一緒にやってきた名ドラマーの柳沼くんもなかなかスケジュール調整が難しくなり、音楽性も若干違ってきたことから、早急に新しいドラマーを見つける必要がありました。

 以前このブログで紹介した人気ギタリスト「浅利史花」さんと活動していた「丸谷茜」さんというドラマーの名前を、この時にふと思い出しました。ただ、この時までは、いわゆるジャズを演奏している丸谷さんは、動画では見たことはありませんでしたので、Youtubeで動画をいくつか検索しました。彼女のオリジナル等の演奏はあったのですが、いわゆる「スタンダード・ジャズ」の演奏しているものがなかったので、判断に困りましたが、まずは一緒にやってみるしかないと考え、全く面識もないのに、ずうずうしくも、いきなりメッセージでオファーしました。たまたま6月の中野ピグノウズでのライブのドラマーが未定だったので、お願いし、快く引き受けていただきいました。

akane1.jpeg

 このときのメッセージのやり取りで、彼女は、実はピアニスト阿部くんとはジャムセッションで既に知り合っていて、「また一緒にやれたら」みたいな話をしていたことが判明しました。彼女は僕のオファーが阿部くんの紹介からのものと思っていたとのことでしたが、これは全くの偶然です。自身がドラムもプレイし(彼は本当にうまいんです)、ドラマーにはこだわりを持っている(?)、そんなピアニストの阿部君が「また一緒に演奏したい!」なんて言っているドラマーだったら、きっと素晴らしいプレイをしてくれるに違いありません。

 6月のライブは、とても楽しいものになるだろうと期待が膨らみました。また、この時は以前紹介したスーパー・ベーシスト「落合康介」君との初共演でもありました。たまたま、ライブまでの間に、彼女が参加しているマーチング・バンドの(?)演奏(スネアドラムだけのプレイでしたが)が阿佐ヶ谷であったので、彼女に会いに行き、簡単な挨拶を済ませておきました。
 

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Pat Martino奏法研究【完全版】 第6章 Phrasel&Groove(8)

 「ダークなサウンド」ということで、2回ほど解説してきましたが、話が少しタイトルとずれていたので、フレーズやグルーブの話に戻します。

 彼の「グルーブ」というか「ノリ」「歌いまわし」「アーティキュレーション」について、僕なりに理解していることを話していこうと思います。まずは下の動画を2つご覧ください。両方とも酒バラのテーマ頭8小節です。





 どちらがMartino風に聴こえますか?当然2番目の方ですね。最初の動画は誰風でもなく、特に意識せず弾いたものです。ハーモニーはともかくとして、一般的に「酒バラ」というと、こんな感じで弾くと思います。

 何が違うのでしょうか?どう弾くとMartinoっぽく聴こえてくるのでしょうか?

 1つ目は音程です。最初の動画に比べ、テーマのメロディーが一オクターブ低いです。彼は多くの人が弾くであろう音程の一オクターブ低く弾くことが多いです。4~6弦を中心にテーマを弾くことで、太いサウンドを生み出します。彼はご存じのように、極太の弦を張っていますので、なおさらのことと思います。

 2つ目、彼はテーマのメロディーをハーモナイズしません。単音で歌い上げます。しかも、「男っぽく」歌い上げます。僕の動画、単音で弾くことはやっていますが、「歌い上げる」部分は参考にはなりませんのでw

 3つ目、要所要所に、合いの手のように「ザッ」って感じでコードを入れてきます。ハッとさせられますし、これも男っぽさの一つでしょう。思い切りよく入れてきます。凝った和音は鳴らしません。必ず5~6弦がルートの一般的なコードを鳴らします。

 4つ目、テンポにもよりますが、多少レイドバックした感じ、結構ぎりぎりまで音符の時間的な長さを長く弾きます。僕の動画ではメトロノームを鳴らしていませんので、少しわかりにくいと思います。また、時間的だけでなく、裏拍をしっかり感じさせる弾き方をするので、実際の出音がためた感じに聴こえてくるのだと思います。これが、音数が多いのに、せわしく無く聴こえない秘密と思います。

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Pat Martino奏法研究【完全版】 第6章 Phrase&Groove(7)

 Patのダークなサウンド、#9thの次はこれです。

ダークサウンド#2

 最初のコードはFaug/Eと表記したらよいのでしょうか。オーギュメントだけでも不協和音ですが、最低音の6弦E音の開放弦をぶつけることで、ダークな感じが一層深まります。



 二番目のコードはBm7♭5(9)/Eですね。2弦は5フレットのE音もしくは2フレットのC#音を鳴らします。これまた、6弦開放弦E音をぶつけます。最初のコードと共通音が多いので(5弦2フレットのB音が付加されただけ)、ほぼ同じ感じで、区別なく使われます。



 このサウンドに、前の回に紹介した#9サウンドを加えて、こんな感じに弾くと、Patののダークサウンドの雰囲気が出ます。ところどころD♭/Eのサウンドを混ぜています。

 

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

僕の音楽史(240)

【2017年】

 まだまだ有名ミュージシャンの紹介が続くこととなります。ピアニスト「柳隼一」君です。

20160831_1688423.jpg


 彼とも以前紹介したギタリスト山口君や落合君と同じく中野ピグノウズで知り合っています。彼のことは、これまた、以前紹介したギタリスト松原君(ヨッシー)と一緒に演奏している動画を見ていたので、顔や演奏スタイルは何となくわかってはいましたが、それ以上の情報は全くありませんでした。この年の7月、僕のピグノウズのライブ演奏が終わるくらいの時にお店にふらっと現れたと記憶しています。その時はピアニスト「柳隼一」君とはわからず、ママさんに言われるままスタンダード曲にシットインして演奏してもらいました。演奏が終わった後、ママさんが「あの人はプロの方ですけど、チャージはいただきますか?どうしましょう?」なんて聞かれたのを覚えています。あんな素晴らしい演奏を目の前で聴かされて、チャージなんかいただける訳はありませんw。

 演奏後、彼と話をして「あー、あなたが、あの柳さんでしたか?!」って感じで、知り合うこととなりました。意外にも、僕のバンドのレギュラー・ピアニストの阿部君は既に彼のことを知っていました。「自宅マンションのピアノ弾きの人に柳君の生徒がいて、教えに来た柳君とエレベーターでばったり会った」とかなんとか言ってましたね。

 柳君のプレイを聴いて(僕が言うのもおこがましいですが)、偉大なピアニスト達をとてもよく研究しているなと思いました。それも、チックとかハービーとかキースとかだけでなく、トミフラとかハンク・ジョーンズといった、もう少し古い世代のピアニストの演奏をしっかりと聴いてるなと感じました。もちろん、彼が本当に研究していたかどうかはわかりませんでしたが、少なくてもそういったエッセンスを僕は感じ取りました。そして、ひとたびスイッチが入ると、強力な「うねり」を生み出すピアニストに変貌していきます。また、音の立ち上がりが凄く早く、輪郭がはっきりしていて、とても躍動感があるように感じます。

o0480032114323055134.jpg


 この後、何回かピグノウズに彼が来た時に、遊びで演奏する機会がありました。住居も比較的近くのエリアでしたし、一緒に活動する機会があれば良いなと感じていました。実は、彼とはこれだけで終わることなく、一緒にデュオで活動を一年ほど続け、新潟に演奏ツアーに行くほどの濃い付き合いをさせていただくことになったのですが、その時の話はまた、話が進んだらしっかりご紹介しようと思います。


テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR