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マイナー・コンバージョン・コンセプト総合編

【Visit(5)】

 今回はサビの部分の最初の4小節について解説しようと思います。

 進行はC13/B+7/B♭13/A+7です。コード表記の仕方があまり良くなかったかもしれません。+はAugumentという理解で、Cのキーで言うと、C、E、G#とギタリストは一般的に考えてしまいますが、どちらかとC7(♭13)、要は7th(C、E、G、B♭)に♭13(A♭)のテンションを入れるという風に考えてください。

 C7(13)/B7(♭13)/B♭7(13)/A7(♭13)/

 これが、我々ギタリストからはわかりやすかったですね。

 マイナー・コンバージョンを考える前に「7thの半音下降」なのですから、下動画のようにC7を1フレットずつ下げていけば良いわけです。わかりやすく同じモチーフを半音下降させていますが、下がるたびに少し変化を与えるのが実際は良いと思います。



 次はマイナー・コンバージョン的発想です。B7(♭13) → Cm(Cドリアン)にコンバージョンします。これは理解できますよね?マイナー・コンバージョンの基本中の基本です。え?って人はマイナー・コンバージョン・コンセプトの(11)から(13)あたりを復習してみてください。A7(♭13) → B♭m(B♭ドリアン)です。したがって、全体をこう考えます。

 C7(13)/B7(♭13)/B♭7(13)/A7(♭13)/  →  C7(13)/Cm/B♭7(13)/B♭m/

 このようにコンバージョンすれば、最初の2小節はCをメジャーとマイナーを1小節ずつ、次の2小節はB♭のメジャーとマイナーを1小節づつ弾けば良いのだと考えることができ、俄然気持ちが楽になります。



 さらに、C7(13) をGmへ、B♭7(13)をFmにコンバージョンして

  C7(13)/B7(♭13)/B♭7(13)/A7(♭13)  →  Gm/Cm/Fm/B♭m/

 最初の2小節はGmのⅠーⅣ、次の2小節はFmのⅠーⅣと考えてしまえば、もっとざっくりと大きく捉えてアドリブできます。※動画はありません


 次回はサビの残りの2小節を解説します。

 

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僕の音楽史(227)

【2016年】

 もう僕が改めて説明する必要もないのですが、浅利史花さんのことを書いておきます。

asari1.jpeg

 彼女とは既に2014年の頃から多少の関わりがありました。僕がFacebookを初めて間もない頃、音楽好きやプレイヤーの方々と、どんどんと繋がっていく中で、彼女とも友達繋がりとなりました。演奏はYoutubeで見ていましたし、2014年にライブハウスのジャムセッションに来ていて、その時少しだけ話しをしたりしたこともありました。彼女のデビュー前のことです。その頃からシングルノートを中心とした「オーソドックスなフレーズを丁寧に弾く」感じでした。使用ギターを見て、グラント・グリーンが好きなんだろうな?と質問してみると、やはりそうでした。当時は彼女の口から、グラント・グリーン以外のギタリストは聞いた事がありませんした。その後は、前回紹介した柳沼くん参加の浅利さんのトリオを見に行ったり、ジャムセッションで何回か一緒にプレーしたり、大戸屋でばったり会ったりwってなことがありました。

 そして、2016年1月に僕のトリオ(武田、矢野、公手)のライブに楽器を持って見に来てくれて、初めてジャムセッション以外で、正式にお客さんの前で共演を果たしました。もとから上手だったのはもちろんですが、音が太くなって、演奏に説得力みたいなものが出てきた感じを受けました。若者の進歩は恐ろしいと感じました。「私は今、基礎を固めようと必死なんです」としきりに言ってましたが、その謙虚さが今の彼女のプレイを形作ったのだと思います。

 この後しばらくして、メジャーデビューを果たし、現在の活躍に繋がっていきます。今では「浅利さんと一緒に演奏した事あるよ」なんて、人に自慢できるプレイヤーになりましたねw。

 この後、彼女と直接の接点はないのですが、前回ご紹介した柳沼君やこのブログでは登場前の丸谷茜ちゃんというふたりのドラマーは僕のカルテットと浅利さんのバンドを掛け持ちでやっていたと思うので、そういう意味では間接的にお話は色々聞いていました。好きなドラマーのタイプも同じだったのでしょう。

 これからも頑張って活躍してほしいと思います。

asari2.jpeg

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僕の音楽史(226)

【2016年】

 この年からはさらに色々なミュージシャンと交流を持つようになりました。また、楽器や機材がどんどん増えていきます。このへんの話を正確では無いですが、時系列に紹介していこうと思います。

 まずはこの素晴らしいドラマー柳沼佑育君です。

柳沼 柳沼2


 Facebookで確認すると、知り合ったのが2015年8月、最初の共演も2015年12月のようでしたので、前回の2015年総括の時に登場させておくべきでした^^;

 彼と一緒に演奏するようになったのは僕がギタリスト浅利史花さん(今後紹介していきます)のトリオ演奏を観に行った時に、演奏後のジャム・セッションで知り合い、まあ、よくある話ですが、「今度一緒にやろうよ!」なんて声をかけていた事が始まりです。とにかく、ノリもさることながら、ハイハットやスネアの切れ味が素晴らしいと感じた記憶があります。バネがあって、とても躍動感のあるプレイでした。確か、この時はまだ23歳と言っていたような気がします。とにかく「バップが好き!」と言っていましたが、プレイはとてもフレッシュな感じなので、僕のバンドでもハマるなと、おぼろげながら感じていました。

 その後、12月に公手君のスケジュールが押さえられなかった時に1度頼んで、その後約1年ほど活動をともにしました。ピアノの阿部君は地元のライブハウスで既に面識があったようですし、ベースの矢野君も仕事で何回か演奏した仲のようでしたので、コミュニケーションは問題なしでした。今ではスーパーギタリスト「宮之上貴昭」さんのレギュラー・ドラマー的な活動をしている素晴らしいドラマーです。

 彼の演奏はバップ系はもちろんのこと、僕が好んで演奏していた比較的コンテンポラリー系の曲にも順応性が素晴らしく、上手い人は何でもできるんだな、若いって素晴らしい!といつも感じていました。一年ほど活動をしている間にどんどん頭角を現してきて、スケジュール的にも厳しくなってきたことや彼の音楽性を考えると無理に繋ぎ止めておくのは厳しいと考えて、その後は演奏しなくなりました。

 最初の頃は武田(g)阿部(p)矢野(b)そして柳沼君のカルテットが多かったと思いますが、一年あまりの活動の中で色々な場面で叩いてもらっていたので、彼との演奏動画は比較的多く残っています。

 初めて彼と演奏した2015年12月の時の演奏を2つ貼っておきます。この頃の僕のギターはこもり系の極みですね。ジム・ホールのような極度にトーンを絞った音質です。




 

 

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マイナー・コンバージョン・コンセプト総合編

【Visit(4)】

 今回も最初の8小節、G13-A♭13の繰り返し部分ですが、前回とは違うマイナーにコンバージョンしてみます。

 G13(7) →  A♭m(A♭ドリアン)にコンバージョンします。

 なぜこのコンバージョンが成り立つかは以前のMultiple Substitutes(3)で解説したとおり、ディミニッシュ(短三度)移動で説明が付きます。前回Fm(Fドリアン)でコンバージョンしたので、その短三度上のA♭m(Aドリアン)でのコンバージョンを想定したわけです。最初はインサイドな感じ(ブルースペンタやDドリアン)で入って、A♭mに移行することを2回ほど繰り返しています。



 最後に今まで解説したコンバージョンをごちゃまぜにして弾いてみます。G7をDm、E♭m、Fm、A♭m、そしてGのブルースペンタトニックとランダムに想定して弾いていきます。



 次回からはサビの部分の解説に移ります。

 
 

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僕の音楽史(226)

【2015年】

 2015年の活動の総括をします。

 この年の活動は今まで紹介してきたミュージシャン達とメンバーを色々と組み替えながら粛々と活動し、そして順調に終えることができました。この時点で活動を共にしたミュージシャン達をもう一度列挙しておきます。

 阿部義徳(p)田崎美知子(p)高野正一(org)矢野伸行(b)辻啓介(b)公手徹太郎(ds)宇山満隆(ds)西尾研一(ds)、一回限りのトラとしては高橋徹(ds)これで漏れないかな?

 この頃は同業者のギタリストとは全く輪が広がっていませんでした。今も大活躍の素晴らしいギタリスト達と知り合いになるのはもう少し後になります。

 音楽活動とは別に、昨年から始めたFacebookで色々な方々と知り合いになりました。特に「ジャズギター研究会」というグループを通じて、沢山のミュージシャンや楽器愛好家たちと繋がりができました。そして、今ではもう説明不要となりましたが、ギタリスト矢堀孝一さんのお店〜ジャズ・ギターの聖地〜「Virtuoso AKASAKA」もこの年9月にオープンし、このお店を中心にジャズ・ギター界にムーブメントが起き始めていました。

 このFacebookの「ジャズギター研究会」と「Virtuoso AKASAKA」が日本のジャズ・ギター界を今までと違った良い方向に牽引している感じでした。今までと大きな違いは、意識の上で「プロとアマの壁」をそれぞれお互いが壊し始めている感じでした。

 「アマのようなプロのような、でもやっぱりアマ」みたいな活動をしている僕にとってw、ここでの音楽環境は昔とは明らかに違っていました。とても良い方向に向いていることが明確に感じられました。かつて、この壁は高く厚いものでした。プロで活動しているミュージシャンは「アマチュアを微塵も寄せ付けないプロ意識」みたいなものを持っている方が多く、僕のような微妙な立場でやっている人も「所詮アマチュアでしょう?!」と相手にしてくれない方たちが周りに沢山いました。逆に、アマチュア側もプロの方たちを「盲目的に崇拝する」みたいな感じもありました。

 「ジャズギター研究会」と「Virtuoso AKASAKA」はこの壁を叩き壊しました。というか、プロもアマもお互いが歩み寄って、自然と壁が溶けてなくなってきている感じでした。「プロもアマもない、ただのジャズ好き、ギター好きが同じ土俵で語ることができる場」になっていきました。これは、もちろん今でも続いていて、そういう意味で、この2つの団体の功績は大きなものだと思っています。

 個人的にも師匠のギタリスト布川さんと再会をはたし、布川さんからよく名前を聞いていたw矢堀さんとも知り合いとなり、今後活動を共にする沢山のミュージシャン達と繋がったこと、今もリアルやネットでやり取りしている沢山の音楽を通じた友人達もみな、この「ジャズギター研究会」と「Virtuoso AKASAKA」のおかげです。

 感謝しております。

jazzguitar.jpg virtuoso.jpg



 次回からは2016年の活動について書いていきます。




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Pat Martino奏法研究【完全版】第6章 Phrase & Groove(1)

 今回からは「Phrase & Groove」ということで、彼のフレーズを紹介しながら、彼の強力なGroove(ノリ)を僕なりに説明していきたいと思います。

 まずは下の譜面の左側を御覧ください。


Phrase Groove(1)


 右手のピッキングのアップ・ダウンの話をします。全てダウンピックで弾いたりしてませんか?全てアップで弾いてる人はあまりいないと思いますが。あるいは弾くたびにまちまちだったりしていませんか?

 ピッキングは人それぞれ、千差万別で正解というのはありません。オルタネートやエコノミー、弦のヒットの仕方も鋭角、平行、鈍角とあって、ここではどれが良いとか悪いとかを議論するつもりはありませんし、僕自身も未だ完全に定まっているとは言えません。あくまでパットの奏法研究という観点でお話していきます。

 彼の場合はスウィープを多様したフレーズはたくさん弾きますが、基本はオルタネート・ピッキング、要するにダウン、アップの順に弾きます。それでは、譜面の左側の最初の4分音符D#音をダウン、次のD音をアップ、次の8分音符C音をダウン、最後のA音をアップで弾くのでしょうか?

 違います。二重線右側の譜面を見てください。まず、音の長さ的には4分音符ではなく、8分音符と休符に近い感じです。そして、この8分休符と4分休符がポイントです。常にピックは8分音符でダウン・アップを繰り返し、休符の部分は弦にヒットさせませんが(空ピック)、必ずピックを動かします。D#をダウン、次の8分休符でアップ、次のD音でダウン、次の8分休符はアップ、次のC音はダウン、最後のA音はアップ、そして最後の4分休符でダウン・アップの動きです。

 このように、常に8分音符の動きでピック(手首)を動かし続けていることで、あの8分音符(16分音符)の強力なグルーブが生まれてくと考えられます。下の動画はあえて空ピックの部分をコツンと音を出して弾くのを、何回かゆっくりと繰り返したのち、音を出さずに弾いています。



 エコノミー・ピッキングの人は別にして、オルタネート中心の人は、これが全くできていない人が多いです。8分音符の部分は8分のアップダウンで弾いていますが、音符が長いと適当にアップダウンで弾き、毎回違った弾き方をします。これではジャズの8分音符のノリは生まれてきません。ピックを律儀に動かさないまでも、体や腕にこの8分のダウンアップの動きを感じながら弾かなくてはいけません。

 最後に5年ほど前になりますが、僕の演奏を貼り付けておきます。無伴奏で「Oleo」を弾いていますが、8分音符中心のフレーズの中に出てくる4分音符のときも常にピックがダウンアップで動いていることがわかると思います。

 参考にしてください。


 

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マイナー・コンバージョン・コンセプト総合編

【Visit(3)】

 今回も最初の8小節、G13-A♭13の繰り返し部分ですが、違うマイナーにコンバージョンしてみます。

 G13一発と考えて、

   G13(7)   →   Fm(Fドリアン)にコンバージョンします。



 なぜこのコンバージョンが可能かは過去の投稿の「Multiple Substitudes(3)」をご覧になっていただければおわかりになると思います。この中では、「ディミニッシュが短三度ずらしで構成音が同じ」ことを利用して説明してますが、実際のところは

 「7thコードは全音下のマイナー・スケールで弾ける」

 とでも記憶しておけばわかりやすく、すっきりするのではないでしょうか?

 G7上で「Fドリアン・スケール」を弾く事は、結果的に「Gフリジアン・スケール」を弾いていることになるので、動画のような雰囲気になるわけです。これ、リッチー・ブラックモアもよくやっていますよねw。

 ただ、マルティーノ自身はあまりこのコンバージョンはやらない気がします。複合的なコンバージョンとして、ある瞬間のフレーズを切り取ってみると、このように分析できる部分がありますが、ずっとこのコンバージョンで弾ききることはあまりなくて、やはりGブルース・スケールとDドリアン・スケールを使うことが圧倒的に多いと思います。

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僕の音楽史(225)

【2015年4月】

 前回ご紹介したピアニスト「田崎美知子」さんとのバンドは、定期的な活動を行っていきました。このバンドのドラマーは旧友「宇山満隆」君にお願いしていたのですが、たまたまスケジュールが合わなかったときに、1回だけ「高橋徹」さんというドラマーにトラで叩いてもらったことがあります。彼については、あえてここで僕の口から説明も不要なくらい、現在では日本のジャズドラマーの中で確固たる地位を築いている名ドラマーと思います。田崎さんと同じ新潟大学、そして、僕が新潟高校という、言ってみれば「新潟つながり」でお願いしました。快く引き受けていただけました。

mmmm.jpg Toru.jpg

 以前は一度メンバーを固定化すると、ずっとそのメンバーでやり続ける、逆に言うと、全員のスケジュールが空いていない限りブッキングしないようにしていましたが、再活動後は、ともかく「できる限りライブをやりたい」と考えていたので、いろいろな組み合わせや編成でブッキングしていました。それが人脈を拡げ、演奏技術の向上につながっていくと考えていました。そして、毎回演奏を録音もしくは録画して、次のライブまでに「課題を見つけクリアするため練習!」といった、まるでミュージシャンンの鏡のような活動でしたw。

 


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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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