2020年1月12日(日)これは素晴らしい! 新年の挨拶を兼ねてこの日ギタープラネットに遊びに行きました。実は前日にSさんから「仕様変更等が多々あって、どうかな?と思っている訳あり175の1PUが入荷したので武田さんに試し弾きしていただきたい。」とのメッセージをもらっていました。ちょうど良いなと思いました。
お店に行って、Sさんに新年のごあいさつをした後、早速「訳あり175」を見せてもらうことにします。
下の写真の楽器でした。

1963年製もしくは1967年製のES-175ということでした。この頃はシリアルナンバーの被りがあって、シリアルだけでは年代がどちらかはっきりしないとのことですが、他の要素を考えると63年製であることが濃厚とのことです。いずれにしてももう50歳を超えた楽器です。その割には大きな傷もなく、程よくウェザーチェックが入っています。
一体何が「訳あり」なのかと言うと、Sさんが言うには下のような事のようです。
「リフレット、リナット、ペグ交換、トラスロッドカバー交換、トラスロッド交換、及びネックバインディング巻き直しによりポジションマーク無し、オーバースプレーの可能性有り」
要するに前のオーナーさんによる大改造が行われていて、オリジナル状態から程遠い状態のであると言うことの様です。
「訳あり」と言うと「大きな打痕や傷」「ネックの反りやねじれ」のケースがほとんどです。キズなら気にならなければOKですが、ネックの反りやねじれの場合は致命的です。いくら値が下がっても修理調整に別途お金がかかってしまいます。
楽器を手に取って生音で弾きます。この頃の175、特に1PU仕様は重量がびっくりするくらい軽いです。
生音は特有のビンテージサウンドです。
「これは素晴らしい!」
すでに1952年製P-90の175を所有しています。比較的それに近いサウンドでが、もう少し硬質で乾いた音です。そして弦高がギリギリまで低く、ちょっと押さえただけで音が出るような最高に弾きやすい楽器でした。

難点はネックバインディング巻き直しのためにポジションマークがない事です。フレット移動の大きいフレーズは間違えてしまいます。無意識のうちにこのポジションマークを頼りに弾いていることを自覚しました。
10分くらいずっと生音で弾き続けていました。手放せなくなるくらいに魅力のあるビンテージサウンドでした。
試奏の後にSさんに伝えます。
「色々と改造されていますが、プレイヤー視点でいうと全く問題ない素晴らしい楽器と思いますね、ポジションマークがないことを除いてはw。オリジナル商品にこだわる方やコレクターの方にはダメと思いますけど。こんなに弾きやすい175は初めてなくらいです。」
175愛好家としての率直な感想を述べます。
「この年代の175は50万以下では絶対買えないですよね。この前175の1PUを買ったばかりなんでさすがにもう買えないなw。ちなみに販売価格はどのくらいですか?」

「まだ調査中やセットアップ調整が終わっていないのではっきりしたことは言えないのですが、XX万くらいを想定しています。」
「えっ?まじですか?」