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僕の音楽史(173)

【1993年】

 吉祥寺ジャズコンテストでの本選の演奏については何一つ記憶がありません。小細工なしのスタンダードで勝負したので、記憶に止まらないのも無理はありません。そして、演奏後の審査員のコメント等についても残念ながら一切覚えていません。

 コンテスト出場者の演奏の後、向井滋春グループの演奏があったのですが、やはりこれも結果発表前ということもあって、多分あまりしっかりと聴いていなかったのか、まるで記憶がありません。

 いよいよ発表です。バンド演奏の結果の前に個人賞4名の発表がありました。なんと、ベースの荻原さんが選ばれ、先にステージに呼ばれました!この手の個人賞は大概フロントの管楽器かピアノが獲得するものですが、そんな中でベーシストで選ばれたことは本当は素晴らしいと思います。ベースをフューチャーしたわけでもなく、スタンダードの数コーラスのソロで獲得できる、まさしく彼の実力を証明したことになります。

 そして、我々は審査員特別賞、オーディエンス賞でも呼ばれません。そして、優秀賞の2本、ここでもとうとう呼ばれませんでした。ピアノの阿部くんが賞の発表のたびに

「おや〜?おやおや〜?!」と嬉しそうに声を上げていますw

 優秀賞で呼ばれなかった時点で、確信しました。そして、浅草コンテストに続き、めでたく吉祥寺でもグランプリを獲得しました!

 賞品はトロフィー、賞品5万円、ギフト券5万円、そしてサッポロビール1年分でした。

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 終了後、吉祥寺近くに住んでいる僕の自宅で数時間過ごしました。下がその時の写真です。


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僕の音楽史(172)

【1993年】

 吉祥寺ジャズコンテスト本選大会の記憶はそんなに鮮明ではないのですが、記憶を辿りながら書こうと思います。

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 当日、僕は浅草のコンテストでの反省を踏まえて自分のギターアンプ「ポリトーンMiniBruteⅣ」を会場に持ち込みました。吉祥寺は自宅からすぐでしたし、今回は「勝ちに行く」つもりでしたのでw、いつものアンプでベスト・コンディションで演奏しようと思いました。何の小細工もしないスタンダードですから、音で聴かせなくてはいけません。リハーサルはほんの数分くらいでした。自分のアンプを持ち込んでいたので、それで十分でした。

 当時のパンフレットを開くと、12バンドが本選大会に出演していたようです。僕らの演奏は10番目、最後の方だったみたいですね、まったく覚えてはいませんが、リハーサルから演奏までが随分と時間があったと言う記憶は残っています。

 僕らのバンド、いつのころからか、こういう暇な時間はいつも「UNO」というカードゲームをいつもやるようになっていましたw。東工大の阿部君、荻原さんのふたりが滅法強くって、僕はいつもカモにされていた気がします。もちろんお金を賭けることなく、二人は純粋に戦術を楽しんでいた感じです。さすが理系脳です。僕はもともと「先読み」は苦手なので、付き合いでやっていた感じですね。この時もやっていた様に思います。

 出番が近づいてきた時、いきなり僕のギターの5弦と6弦がすごい音がして切れました。

 「まじかよ!?」

 昨日変えたばかりの弦で、しかも低音弦です。もう弦を買いに行ってる時間もありません。よく見ると、切れたわけではないことがわかって、ほっと胸をなでおろしました。昨日の弦交換のやり方があまりよろしくなかった様で、テールピースの溝にしっかりと弦が固定されていない状態だったため、外れただけの様でした。

 「縁起が悪いですね?」

 宇山君が言いますが、まあ、気にしない様にしました。むしろ本番でこんなことが起きなくて良かったと考えました。1弦ならともかく、5〜6弦の2本が本番で切れたら、「後藤みどり」じゃあるまいし、ひとたまりもありません。

 そして、弦を張り直してすぐに僕らの演奏の順番が回ってきました。

僕の音楽史(171)

【1993年】

 吉祥寺コンテストで何を演奏したかというと「There Is No Greater Love」を演奏しました。なぜこの曲を演奏したかというと、テープ審査の返信に入っていた沢田駿吾氏のコメント「以前からスタンダードジャズも一度聴いてみたいと思っていた・・・・」を意識してのことです。

 テープ審査では「All The Things You Are」でした。この曲を演奏すると当時の僕の演奏は、どうしても「メセニーのパクリ」になってしまいますw。皆さんはどう思ったかわかりませんが、実際テープ審査に送ったテイクは思いっきり影響を受けた演奏と思います。一方、「There Is No Greater Love」なら、僕は少なくともギタリストの演奏は聴いたことがないので、「誰々風」の演奏にはならないので良いかなと考えました。沢田さんは「ジャズギターの王道」とも言うべき演奏をする方です。審査テープの演奏についてはたまたま評価は貰えましたが、本当はもっとオーソドックスなプレイが好きなはずだと思いました。この曲ならミディアムでゆったりと弾けば、ジャズ・ギター王道的な演奏もできないことはないなと考えました。自分と同じタイプの演奏を嫌だなと思うはずがありませんw。また、審査員として名前を連ねていた評論家本多俊夫さんも、オーソドックスな演奏を好むと考えました。審査員の中に向井滋春さん(トロンボーン)がいて、彼がどんな好みかが想像がつきませんでした。渡辺香津美さんとのキリンや彼のリーダー・アルバムを聴く限り、比較的コンテンポラリーな感じもしましたが、変な話、審査員の力関係的に沢田さんと本多さんのふたりに気に入って貰えばオーケーと考えましたw。


 そして、やるなら徹底的にオーソドックスに演奏しようと思いました。イントロもエンデイングもなし、ギターのテーマから入って、ギター・ソロ〜ピアノ・ソロ〜ベース・ソロ〜8バース〜後テーマ、ライブでよくやる3625で回すことも最小限に抑え、サクッと終わる、こんな感じで行こうと皆と話しました。

 このように浅草のコンテストの時とは随分と違って、僕は「分析し、作戦を立てて勝ちに行く」感じでしたw。

 「当日朝、部室に集まって、たった1回だけ演奏してから現地に行きませんか?!反省もやり直しもなく、何も考えずに1回だけ演奏しましょう。」

 ベースの荻原さんが皆に提案します。良いアイディアと思いました。彼の提案通り午前中に集まって、たった1回、10分ほどこの曲だけ演奏してから、皆で吉祥寺へ向かいました。

 いよいよ本戦です。

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僕の音楽史(170)

【1993年】

 テープを送って何日か後に予選通過の連絡と演奏曲のコメントが送られてきました。下がその時いただいたコメントの写真です。

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 テープ審査で送った演奏曲「All The Things You Are」について審査員のギタリスト沢田駿吾さんが親切にコメントを書いてくれたのでした。写真をよく見ていただくと全文がわかると思いますが、ちょっと「褒めすぎ」ってくらい大絶賛でした。

 相当の自慢話になってしまいますがw、掻い摘んで書くと下の様なことを書いてくれています。

 ・正直脱帽です。グループ全員の素晴らしさには驚きです。
 ・以前からスタンダードジャズも聴いてみたいと思っていたが、この演奏で上手さを再認識した。
 ・メンバーのレベルが揃っていて穴がない、全員のリズム感の良さも大きな魅力。
 ・ピアノの阿部君のアドリブは驚嘆に値します。
 ・このまま全員伸びていけば、将来間違いなく国際的なすごいグループになる。

 嬉しいやら恥ずかしいやらのもう大絶賛ですw。僕のギターはともかくとして、沢田さんのおっしゃる通り、荻原さんと宇山君のリズム隊は無茶苦茶スイングしていると思いましたし、このテイクの阿部君のソロは確かに素晴らしいものと思います。



 「以前からスタンダードジャズも一度聴いてみたいと思っていたが」のくだりは、浅草コンテストのことを言っています。浅草の審査テープとコンテストの生演奏は共にパット・マルティーノの「The Great Stream」というマニアックな曲だったので、沢田さんは「こんな小難しい曲ばっかりいつも演奏してるのかな?はたしてスタンダードをしっかり演奏できるのだろうか?」て感じていたのだと思います。そう考えると、今回「All The Things You Are」を送ったのは大正解だったのかもしれません。

 もうここまで書いてくれたら、優勝しかありません!

 浅草と違って欲が出て来ました。もっとも欲が出たのは僕だけと思いますがw

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僕の音楽史(169)

【1993年】

 浅草ジャズコンテストのグランプリの余韻に浸っている頃に雑誌でこんな記事を見つけます。

「第8回吉祥寺音楽祭/ジャズコンテスト出場者募集」

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 メンバー達は浅草ジャズコンテストのグランプリをどの様に思っていたか分かりませんが、少なくとも僕はモチベーションは高まりましたし、自分の演奏を皆に聴いてもらいたいと言う欲求が強くなりました。ライブハウスでの定期的な活動を行なっていくのが本当は希望ではあったのですが、コネクションもなかったですし、僕らの様な働きながらミュージシャンをやっていると言った、ある意味「中途半端な立ち位置の人間」が出演できそうな手頃なお店が見当たらなっかたので、まずはコンテストなどに出場し、人前で演奏することでその欲求を満たそうと考えました。

 改めてこのコンテストに応募する音源を録音する時間的余裕もありませんでしたので、浅草の時に送った「The Great Stream」を録音した同じ日に録った「All The Things You Are」で応募することにしました。その時に送った音源をリンク貼っておくので聴いてみてください。



 応募した後にわかったことですが、審査員でなんと浅草の時の審査員であったギタリスト沢田駿吾さんがいました。もう一人ジャズ評論家の本多俊夫さんも被っていました。

 テープを送った後に「送らなきゃよかったかな?」とも思いました。審査員のふたりは浅草の時にすでに僕らの演奏を生で聴いているので、全く新鮮味がないでしょうし、「こいつら、また送ってきたぞ!なんて思われるのも嫌だな」と考えましたw。

 テープを送って何日か後に予選通過の連絡と演奏曲のコメントが送られてきました。

 本戦大会は5月5日のこどもの日です。
 

 
 


プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に師事し、各種コンテストにも参加。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。2014年夏より活動を再開。現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブ活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」や「ジャズギター裏口入学」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方に「Skype」で教えています。レッスン頻度は教わる皆様に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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