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質問箱(2)


同じく下の動画を見てくれた人が次の様な質問をしてくれました。



【質問】
マイナーコンバージョンで弾く場合、どこまでコードトーンを見ていますか?
実例を聞いているとよくあるバップ的なコードトーン!という演奏とは離れて、
「スケールを怒涛のごとく弾いている!けれどグルーブの軸がずれない音使い」のようなものを感じます。

マイナーコンバージョンはスローテンポでも成立しますか?
速ければ速いほど調性に曖昧さが許容される故のマイナーコンバージョンでは
無いのかと思ってしまうのです。


ありがとうございます。2つともとても良い質問だと思います。今回は最初のコードトーンの話の方にお答えしようと思います。

【回答】
 僕の場合は、3ー6ー2ー5や2ー5ー1をベースに作られたスタンダードについては、ほぼマイナー・コンバージョンで考えて弾くことが多いです。そして、その時に「コード・トーンを考えていますか?」と言われれば「答えはノー」ですね。

 C△7と譜面に書いてあると、みなさんはどう考えて弾いていますか?


 C△7→コードトーンはCEGB→コードーンを中心に弾いて.....→9th(D)や#11(F#)のテンションも使えるな!


 こんな感じで頭で考えているのでは?と思いますが、いかがでしょう?


 僕の頭の中ではこうです。


 C△7→Am7にコンバージョン→Aドリアンを中心にAm7で使えるフレーズのストックからソロを組み立てよう!


 簡単に言うと、こんな感じです。したがって「C△7のコードトーンを考えているか?」と言う質問には「考えていません」が答えになってしまいます。ただ、Am7で使えるフレーズはAドリアンだけではなく(ここでは説明しませんが)色々なスケールを使ったフレーズがあって、それらのフレーズをC△7にあてはめに行くので、コードトーンのみならず結果として色々なテンション、場合によってはアウトな感じも弾くことができます。

 コードトーンから少し離れますが、例えばCの#11のF#音なんかは、「Cの#11thを弾く」と言う感覚ではなく「Aドリアンスケールを弾いた結果F#音を弾く」という感じです。僕の頭の中は少なくともこうです。「許せない!」と感じる方はいますか(笑)?

 いいじゃないですか?結果F#を弾くことに変わりはないのですから。



 次回は2つ目の質問について書こうと思います。

 

質問箱(1)

今回から始める「質問箱」最初に取り上げたのはこれです!

【質問】
Oleoをマイナーコンバージョンで弾く場合、どのようにスケールを当てはめて弾くのが良いでしょうか?

【回答】
 この質問は僕がFacebookとブログにあげた下の動画を見てくれた方がブログのコメントを通して送ってくれた質問です。



 この曲はB♭キーのいわゆる「循環もの」と呼ばれるもので「ブルース」と同様にジャズではよく使われるコード進行を使って書かれた曲ですね。AA'BAの32小節です。下に簡単にコード進行を書いておきます。

A : B♭Gm7/Cm7F7/Dm7G7/Cm7F7/B♭B♭7/E♭7Edim/Dm7G7/Cm7F7
A' : B♭Gm7/Cm7F7/Dm7G7/Cm7F7/B♭B♭7/E♭7Edim/Dm7G7/Cm7F7B♭
B : D7/D7/G7/G7/C7/C7/F7/F7
A' :B♭Gm7/Cm7F7/Dm7G7/Cm7F7/B♭B♭7/E♭7Edim/Dm7G7/Cm7F7B♭

 改めてこの動画を見ましたが、適当に弾いていた割には、解説しやすくきちっと切り分けて弾いていました(笑)。

 1コーラス目32小節のみをざっくり解説してみますので、参考にしてください。

 まずAの部分ですが、コードはめまぐるしく変わりますが、頭の中は「B♭7一発」としか考えていません。それを前提にA部分はいわゆる「B♭ブルースペンタニック」、要はロックでは一般的な手法ですね。

 つづいてA'はマイナーコンバージョンです。「B♭7⇨Fm7」にコンバージョンして、「Fドリアン」でアドリブしています。
 
 サビの部分もマイナーコンバージョンで考えてます。D7/D7/G7/G7/C7/C7/F7/F7をD7/D7/D♭7/D♭7/C7/C7/F7/F7のように考えてからAm7/Am7/A♭m7/A♭m7/Gm7/Gm7とAドリアンから半音進行で降りて来ます。そして最後のF7はB♭へ向かうV7として弾いています。

 A'に戻ってからもほとんどB♭7と考えて「B♭ブルースペンタニック」を弾き続けますが、最後の方で初めて「B♭メジャー」を弾いているようですね。

 こんな感じです。循環に限らず、コードが目まぐるしく変わるテンポが速い曲は、トーナリティだけを意識して弾いてることが僕の場合は多いですね。「ブルース」と同様に「循環」はある意味「何でもあり!」だと思います。

 
 質問、お待ちしています!

Oleo.png
プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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