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僕の音楽史(103)

【大学2年生(1981〜82年)】

 「酒バラ」を弾けるようにならなくては!との思いから、酒バラを演奏しているギタリストのレコードを買って研究しなくてはいけないと、いつもの新宿ディスクユニオンのギタリスト・コーナーの中古レコードを片っぱしから探しました。「BOSS GUITAR」でウェスが演奏していたのは雑誌の情報で知ってはいましたが、残念ながら中古レコードにはありませんでした。当時はとにかく枚数を買いたいので、安い中古レコード以外は買いませんでした。

 レコードを棚から出し、裏面に記載された曲をざっと目を通し「THE DAYS OF WINE AND ROSES」と書いてあるレコードを片っぱしから探していきます。今現在考えても、ギタリストで演奏しているレコードはなかなか思い浮かばないくらいですから、あまり演奏しているギタリストがいないのでしょう。

 たまたま下のレコードを見つけました。

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 「あった!誰だ?!Pat Martino?名前はなんて読むんだろう。マルティーノ?アメリカ人ではないのかな」

 彼については何の予備知識も持っていませんでしたが、とにかく買って帰ります。「酒バラ」以外にも「ブルー・ボッサ」も「アイ・リメンバー・クリフォード」も収録されています。「アイ・リメンバー・クリフォード」はライトで以前レパートリーになっていたので、知っている曲でしたし大好きな曲でもありました。

 当然これら3曲が収録されているB面に先に針を落とします。イントロもなくいきなり太い音の単音で酒バラのテーマが始まります。

 「いい音だ、結構いい感じ?コード弾きはしないんだな。なんというゆったりとして音符が長い人だろう?心地よいノリだ」

 テーマを演奏している間は比較的冷静に分析しながら聴いていられました(笑)。そして、あのブレイクの2小節が始まります。

 「え?何これ?」

 思わず、もう一度針を元にに戻して、再度聴き直しました。


 「こりゃ、すごい。まるでマシンガンだ!」


 これが、僕の人生を変えたとも言える「パット・マルティーノ」との出会い(?)でした。 



 

僕の音楽史(102)

【大学2年生(1981〜82年)】

 僕がレギュラーになって少し経った頃、ダンスパーティーの仕事の際にピアノの寺さんに突然声をかけられました。

 「武田、1ステージと2ステージの合間にコンボで何曲か演奏するぞ。お前も一曲参加してみろ。曲は酒バラね」

 ライトはビッグバンドですが、このようにピアノ、ベース、ドラムとフロントの何名かのピックアップ・メンバーで演奏したりすることがたまにありました。リズム隊のメンバーはそれを楽しみにしていたり、フルバンドに少し疲れた時の息抜きにしていたりしていたようです。

 「酒バラ?!さーて、こまったぞ。」

 コード進行はスタンダード本の譜面を見ればわかりますが、いかんせん、テーマは弾けないですし、アドリブも弾いた事はありません。当時の僕の演奏レベルは、こんなものでした。

 「無理です!」

 本当はそう言った方がよかったのかもしれませんが、そんな勇気もありません。


 何曲かのコンボでの演奏のうち、「酒バラ」の時だけ僕は参加させてもらいました。

 曲のキーがFなんで、とりあえずFのブルースペンタトニックばっかり弾いていたと思います。そして、1コーラスでリタイアしたと思います。どんなソロだったかはもちろん覚えてはいませんが、「その場から逃げ出したい」そんな気分であったことは、間違いありません。

 寺さんやベースのタダシさん、ドラムの中村さんの楽しそうにソロ回しをしながら演奏している姿を見て、同じレギュラー・メンバーである以上「仲間に加わりたい!」と強く感じたのを今でも覚えています。彼らは僕の演奏に対しては何ひとつ文句は言いませんでしたが、こんな恥ずかしい気持ちを味わうのは、嫌でした。


 これをきっかけに、大好きなギタリストのフレーズばかりコピーをするのではなく、スタンダードを覚え、弾けるようになることが先決と思いました。したがって、練習するスタンダード曲を決め、その曲を演奏しているギタリストを探し、レコードを片っぱしから買って研究するといったやり方に変えました。この結果、今までより色々なギタリストを研究することとなり、今考えるに、良い方向に向かって行ったのだと思います。

 まずは、「酒バラ」をなんとかしようと思いました。そして、「酒バラ」を演奏しているギタリストのレコードを色々探します。

 その結果、「僕の人生を変えた」と言っても過言ではない、あの人のあのレコードに巡り合うこととなるのです。



 つづく!!

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僕の音楽史(101)

【大学2年生(1981〜82年)】

 記憶にあまり自信がないのですが、僕がレギュラーになって間も無く、そしてライトとしてオフィシャルな初仕事で、なんとあのカシオペアの「神保彰」さんと共演の機会に恵まれました。たしか、日仏会館って場所だったような気がしてますが、あってますか??ライトOBの読者の皆さん。

 当時の神保さんはカシオペアに入って2年くらい経った頃で、すでに確固たる地位を確立していたような感じでした。カシオペア的には「メイク・アップ・シティ」発売後で「クロスポイント」発表間近の一番の脂がのりきっていた時期でしたし、僕は相変わらず聴き続けていました。

 ライトの中でもペーペーの僕はどんな経緯でこんな話になったのかは全くわかりませんが、「世界の神保」とは言っても僕の先輩たちにとっては「優しい先輩」って感じで、楽屋でも普通に接していたのはちょっとびっくりでした。ただ、ドラムの中村さんは当たり前ですが、少し緊張していた感じだったのを覚えてます。

 数曲一緒にやったのか一曲だけだったのかも、これもはっきりとは覚えてませんが、確かサンバ調の曲の途中で、ドラムソロと現役ドラマー中村さんとのバトルがあったような気がしています。僕はギター弾きなので、神保さんのほぼ前に座っていたのですが、四分音符で踏むバスドラのキックの音圧があまりに強烈で、「振動で椅子が少しづつ前に動いていってるのではないか?」と感じるくらいだったことに驚いた記憶があります。

 神保さんのドラムにはもちろん凄くてびっくりだったのですが、僕がもっと驚いたのは「カシオペアの神保彰」とほぼ互角に戦える中村さんのドラミングでした。16ビートのあの切れ味や十手観音のようなドラミングだけを比べてしまうと、確かに軍配は神保さんにあがっちゃうのですが、ミディアム・スィングでのノリは、もしかしたら....と思わせるほど抜群にスィングするドラミングでした。すみません、偉そうなこと言って(笑)。

 何れにしても、先輩後輩であり師弟関係でもある2人がお互いをリスペクトしながら楽しそうに叩いてる姿を見たのはすごく気持ちの良いもので、なんか羨ましく感じました。

※この写真は僕が在籍時のライトとは無関係です。

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僕の音楽史(100)

【大学2年生(1981〜82年)】

 はっきりした時期は覚えていないのですが、ライトのレギュラー・メンバーがコンコード・ジャズ・フェスティバルから帰って来て、間も無くして僕は突然ライトのレギュラー・メンバーになりました。

 別に僕が上手だったからでも何でもありません。1年上の先輩、レギュラーのギタリスト「カンタ」さんは法学部に在学していて、法律の勉強を本格的にやって行きたいという事で大学以外に法律専門学校に通うこととなり、ライトの練習に参加ができなくなったというのが理由だったよう思います。

 お世辞でも何でもなく、この時点では「カンタ」さんの方が僕より上手だったと思います。もっと正確に言うと、僕より器用なギタリストで、どんなタイプの演奏もそつなくこなせるプレイヤーだったように思います。僕は今でもそうですが、得意不得意や好調不調があるバランスが取れていない不安定で不器用なプレイヤーでした。

 正直、ライトのレギュラーになった喜びとかプレッシャーみたいなものはあまりありませんでした。今まで何回も書いてきたピアノの寺さんや前回登場のドラムの中村さん、そしてギターのカンタさんと高校時代からのバンド仲間でもあったベースのタダシさんは皆、暖かく迎えてくれたと思います。

 一つだけ思っていたことがあります。「カンタ」さんの真似はやめようと思ってました。ライトのメンバー達は偉大な先輩たちのソロが代々受け継がれていることがあったり、それが「書き譜」みたいになっているソロもあったりしましたが、僕はそういうのが正直好きではありませんでした。そもそも「カンタ」さんの真似なんか出来ませんでしたし、逆にリズム隊の皆さんはそんなことを強要したりはせずに、好きなようにやらせてくれました。とても嬉しかったですね。

 当時のレパートリーで、ギター・ソロがある曲だけでも少なくとも弾けるようにならなくてはまずいなと思い、まずは優先して練習してました。「エイント・ミスビヘイブン」なんかはカンタさんは確かオクターブ奏法でかっこよく決めていましたが、僕は16分音符で弾きまくっていたり、「スクラップル・フロム・ジ・アップル」は譜面には書いてなかったのですが、「リッチー・コール&ブルース・フォアマン」がよくやっていたように、アルトのテーマとユニゾンを勝手にやったりしていました。当時から指はよく動く方でしたので、とにかくギター・ソロも8分音符で埋め尽くして弾いていましたね。同期のメンバーからはよく「音数が多い」て言われてましたが、未熟な自分は「悔しかった早く吹いてみろよ!」なんて思ってましたね(笑)。

 僕の記憶が正しければ、初めてのライトとしてのオフィシャルな仕事は、この後・・・・。これ、僕にとってはものすごい事件でした!

 つづく!

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僕の音楽史(99)

【大学2年生(1981〜82年)】

 確か僕の記憶では、山野ビッグバンド・コンテストの前か後だったかにアメリカ演奏旅行があったはずです。確かコンコード・ジャズ・フェスティバルではなかったかと思います。僕はレギュラーメンバーではなかったので、当然の事ながら行っていないこともあり、その時どんなことがあったかは残念ながらわかりません。
 
 この当時のことで一つだけ思い出したことがあります。思い出したきっかけはこのブログを読んでくれていて、この話の中でも度々登場している先輩「寺さん」のFacebookのコメントによるものなのですが、このコンコード・ジャズ・フェスティバルでレパートリーになっていたスタンダード「エイント・ミスビヘイブン」と寺さんのオリジナル・アレンジ「ハブ・ユー・メット・ミス・ジョーンズ」(すみません、ハブ・ユー・メット....についてはちょっと記憶が交錯してるので、違うかもしれません。寺さん、真偽のほどをコメントしてください ! )このミディアム・テンポの2曲が無茶苦茶スウィングしてかっこよかったこと!

 コンコードの前だったか後だったかでレギュラー・メンバーが演奏楽曲のお披露目演奏を行った時があって、それを聴いた時はちょっとびっくりしたものです。「やっぱり、このバンドはうまいな!」と思いました。「エイント・ミス....」についてはサビの部分で珍しくギター・ソロがあって、当時レギュラー・メンバーの「カンタさん」がオクターブ奏法で渋くかっこよく決めていて「俺にはこういうギターは弾けないな」と感じました。

 今までライトの「リズム隊」と言うと、この時代のコンマスで山野ソリスト賞を獲得したピアニスト「寺さん」の事ばかりずっと気に留めていて、ある意味尊敬していましたし、その他のメンバーと言えばライトOBであり、まさに「飛ぶ鳥落とす勢い」で活躍していた「カシオペアの神保さん」ばかり注目してきました。

 このミディアム・スウィングのノリ、なんとも言えない気持ち良さ、これはこの時のレギュラー・ドラマー「中村さんによるところがもしかしたら大きいのだな?!」と遅ればせながら気がついてしまったのです。

 この中村さんについては、今まであまり話してはこなかったのですが、予告編じゃないですが、今後は度々この話に登場して来ることになると思います(いいですよね、中村さん?)。何故かって、この後間もなくして、僕は中村さんと一緒に演奏活動を共にすることになり、この素晴らしい「ノリ」を数年間にわたって体感していくことになるのです。

↓↓↓↓ 下の写真は僕が在籍時のライトとは無関係です。

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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に師事し、各種コンテストにも参加。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。2014年夏より活動を再開。現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブ活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」や「ジャズギター裏口入学」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方に「Skype」で教えています。レッスン頻度は教わる皆様に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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