ジャズギター裏口入学(8)

【ブルースについて(3)】
 
 今まで説明してきた3音での7thコードを半音程代理などを取り混ぜて弾くことで以前より随分とジャズっぽく聴こえるようにはなりましたが、コード進行そのものがなんか「ジャズっぽく」ないなと思いました。
 
 まず、おさらいの意味で今までやってきたことを弾いてみますね。下の動画と一番下の譜面の基本形を参考にしてみてください。半音程代理については譜面には記述してませんので、自由にやってみてください(動画は前回の使いまわしですね)。




今回は2つの事を。

<ディミッシュ代理>

 2小節目と6小節目のF7のところを2拍だけF7ではなくF#dimを弾いてみます。F7でオーケーのところをF#dimで弾いているわけですから「ディミニュッシュ代理」と言ってるだけです。これはジャズをやっている前から、ブルース系の人がよくやっていたので知っていましたし、ディミニッシュのサウンドは大好きですので今でも色んな所でよく弾きます。譜面【発展形1】のグレイの網掛け部分ですね。ディミニッシュの押さえ方は指板の図の通りです。

F#dim


 <ターンアラウンド>

 今回のポイントです。基本形のブルースでジャズのブルースの曲に合わせて弾いてと、6小節目まではいい感じなのですが、7小節目以降がどうもしっくりしません。なぜだろう?と思いました。コード進行そのものが、「僕の知っているブルース」と違うのだと思いました。レコードのベースの音を頼りに耳コピーしたり、教則本を調べたりしてついに発見しました。それが「ターンアラウンド」、「ⅠⅥⅡⅤ(イチロクニーゴー)」「ⅢⅥⅡⅤ(サンロクニーゴー)」です。これを譜面【発展形1】の水色にあてはめて弾きます。「これこれ!」って思いました。
 
 以上の「ディミニッシュ代理」と「ターンアラウンド」と適当に半音程代理を入れて弾いてみたのが下の動画ですね。譜面の進行はあくまで参考にしてください。半音程代理を適当に入れてます。



ブルース発展形1

 僕は大学でジャズを始めた最初の頃はこんな感じでブルースを題材に少しづつ「ジャズっぽい」進行を覚えてきました。そして、それに合わせて、ソロを訳も分からず弾いていました。

 一旦ブルースによるコード進行はこのくらいにして、これに合わせて弾いてきたソロについて書いていきます。

ジャズギター裏口入学(7)

【ブルースについて(2)】

<半音程代理>

 前回お話しした3つの音(1度、3度、7th)を使ってブルースの基本中の基本形を弾いてみますね。



 全く何の工夫もない1度(C7)、4度(F7)、5度(G7)の12小節ブルースです。

 これから何回かにわたって、これにちょっとづつ工夫や技術を加味してジャズっぽいブルースに仕上げていきます。

 まず、「半音程代理」です。こんな感じですね。



 カッコよい言葉を使っていますが、何のことはない「半音上もしくは下からコードに向かってアプローチ」するやり方で、教わらなくても皆さんも自然にやっていると思います。でも、馬鹿にしちゃいけません。これをちょっと入れるだけで、最初の動画に比べて少しいい感じになったでしょう??動画はわかりやすく、4つ刻みの前1拍(もしくは2拍)に半音上・下からアプローチしていますが、これを例えばシンコペーションで出てみたり、「上・下・真ん中」みたいに出したい音を上下で挟んだりすると、それだけでカッコよくなります。

 ただ使い過ぎに注意です。毎回やってるとしつこくなりますね(笑)。

2018-03-11.png

 

ジャズギター裏口入学(6)

【ブルースについて(1)】

 何回かにわたってブルースについて書いていこうと思います。

 もともと中学・高校とロックをやっていた頃好きだったギタリスト達も必ず「ブルース」といわれる形式の曲を演奏していることが多かったので、何となくは理解していましたし、演奏もできました。「ブルースとは?」についてはここでは語りません。定義付けも難しいですし、なんたってこの講座のタイトルは「裏口入学」ですから(笑)。当時僕は「ブルース」というと次のような感じで理解していました。



 ジャズにも「ブルース」というものが存在することを知りました。「ブルースなら俺でもできる」ってことで、まずは「スタンダード」と言われる曲の前に、「~ブルース」と書いてある曲を片っ端から聴きました。なんか俺の知っているブルースとは似ていますが、ところどころ違います。まずは、「リズムが違うな」と思いました。いわゆる「4ビート」で演奏している曲がほとんどでしたし、その当時はまだうまくバッキング(コンピング?)ができなかったので、4分音符で刻んでみました。こんな感じです。



 「なんか、雰囲気が違うな」と思いました。「何が違うのだろう?」

 ベースソロになるとギターが4つに刻んでいる音がよく聴こえるので、耳を澄ませて聴いてみたのですが、高い音(1弦・2弦)で弾いている音は聴こえてきません。でも耳の悪い僕に正確な音は取れませんでした。

 何かの教則本で下のようなコードフォームを知りました。
C7F7_000006.jpg

さっそく家に帰って鳴らしてみます。

 「これだ!ジャズだ!」

 この時の感激は今でも忘れません。

 下の動画はこのフォームを主に使って弾いたブルースです。あんまり上手じゃないのと、ちょっとだけ複雑なことをやってますが、それは今後説明していきます。


 

ジャズギター裏口入学(5)

【ジャズっぽいギターの弾き方(5)】

 今度はフレーズの話ではなくコード(サウンド?)の話です。

 ジャズやフュージョンを聴き始めて間もないころ、曲やアドリブのコード進行は全く理解できませんでしたが、気が付いたことがありました。特にライブ演奏などがそうなのですが、ジャズもロックと同じように曲のエンディングはキーの音で「ダーーー」と伸ばし、パラパラとリードの人がフレーズを弾いた後、全員で「ジャン」と一斉に合わせて終わるパターンが多いのですが、問題はその「ジャン」の時に弾く音です。ロックの場合はキーがCで言うと大抵は「ドとソのパワーコード」で終わります(動画1)。



 ところが、ジャズの人たちは色んな音を出して終わることが多いことに気が付きました。

 例えばこんな感じです(動画2)C79th



あるいはこんな感じです(動画3)C7#9



 またまたこんな感じです(動画4)C7♭5th



そして、これを最初に聴いたときはちょっとびっくりでした(動画5) C69♭5




 ロックは同じ曲なら、いつも終わり方は同じなのにジャズはその時その時で毎回違う和音で終わったりしています。動画2、3についてはロック、ブルースでもお馴染みと思いますが、動画4、5に行くにつれて少しだけジャズっぽいアダルトなサウンドに近づいていきます。

 僕は大学に入ってジャズをやり始めた時に、たまたま昔のロック仲間とブルースを演奏した時にエンディングでC7♭5を弾いた時のメンバーの「おっ!」という顔を今でも忘れません。

 こんな風にして、まずはコード進行ではなく、コード単発のサウンドから少しづつジャズの世界に足を踏み入れていきました。

profile.jpg


ジャズギター裏口入学(4)

【ジャズっぽいギターの弾き方(4)】

 引き続きジャズっぽい弾き方についてですが。

 前回までを簡単にまとめると、ジャズっぽく弾くやり方として
1.チョーキングで弾くところをところを、スラーやハンマリングを使って弾いてみる
2.ブルース・ペンタトニックに♭5th(G♭音)や6度(A音)を加えてみる。
3.ミクソリディアン・スケールを使ってみる
の3点でした。

 今回は「ジャズをやる人が誰でも良く使うフレーズをいくつか覚える」そして「恐れずに何回もこのフレーズをアドリブ演奏で弾く」です。

 よくスケール沢山覚えて、ジャム・セッションで自分のソロが回ってくるとスケールの上昇・下降をまんま弾き続ける人がいます。しっかり弾けば音は外さないでしょうが、全く音楽的ではありませんし、「ジャズっぽく」は到底聴こえません。

 やはり、まずは「何スケールか?」は置いておいて、ジャズ特有のフレーズをいくつか覚えて練習で、そして実践でも恥ずかしからず弾くことです。フレーズのストックができて、実戦で使えるようになってから「さてさて、俺のこの特意フレーズは何スケールなんだろう」と後で確認すれば良いと思います。

 下の譜面と参考動画1、2は僕が大学に入って最初に覚えたジャズのフレーズ2つです。誰でも知ってるし、どんなジャズ・ギタリストも必ず弾く(弾ける)フレーズです。

 理論は「弾くためのもの」ではなく「自分が弾いていることを他人に説明したり自分で確認したりするための手段」と思います。

CCF_000004.jpg

 

 使っている音はジャズ特有のものではありません。普通にロック、ブルースの人達も使う音ですが、このフレーズ自体はジャズ特有のものですし、こういうフレーズをロック、ブルースで使うと必ず「ジャズっぽいね」と言われます。

 まずはこういうフレーズのストックをどんどん増やしていきましょう!

profile.jpg




プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に師事し、各種コンテストにも参加。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。2014年夏より活動を再開。現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブ活動中。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR