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Pat Martino奏法研究(67)

【第8章】 特徴的なフレーズ(1)

 今回からはマルティーノの特徴的なフレーズや音使いについていくつか紹介していきます。

 まずは下の譜面のご覧ください。

 nori_000038.jpg

上の2小節を弾いたのが下の動画ですね。ゆっくりと3回くらい弾いています。すみません、譜面にコードがふってませんでしたが、1小節目がEm7、2小節目がA7です。キーがCの時のⅢ-Ⅵ、Em7-A7(-Dm7-G7-C)部分の定石フレーズです。ジャズをかじった人ならどんな楽器の人も使うお決まりのフレーズですから皆さんも「あー、このフレーズね」って感じでご存知ですよね。



 さて、パットもこのフレーズ、特に初期の頃はよく使っていましたが、コピーして一緒に弾いてみると「あれ?!」ちょっとだけ音使いが違うことに気が付きました。音をしっかりと取ってみると、どうやら彼は下の段の譜面のように弾いていることがわかりました。動画を見てください。




 違いは2か所です。

 1小節目の1~2拍目、パットはEからではなくD♯から始めてGまではクロマチックで、すべて8分音符で埋めます。「淀みない8分音符」が売りですから、まー理解できます。

 問題は2か所目、うっかりしていると気が付かないくらいですが、2小節目の1~2拍ですが、一般的には上段のフレーズの様に「C#-E-G-A」と弾きます。これはⅥ7の箇所、A7の部分ですので、ジャズ理論書では「ハーモニック・マイナー・パーフェクト・5thビロウ」てやつの音使い、要はAの完全五度下Dのハーモニック・マイナーの音です。一方、パットは「C♯-F-G-A」と弾きます。2番目の音がEではなくFを弾きます。これはA7+(オギュメント)の発想、A-C#-Fの音使いですね。

 パット自身はそんなことを考えて弾ているわけないと思うのですが、ここではあえて解説はしませんが、彼の頭の中では「音楽はディミニッシュとオギュメントから形作られている」みたいなことを言っているようですから、そんなところからもこの音使いは来ているのかもしれないですね。



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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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