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Pat Martino奏法研究(20)

 【2-6】マイナー・コンバージョンで「枯葉」を弾く(2)

 最初の8小節の解説をすれば、すべて完了ですね。

 まず最初の4小節です。

 最初の4小節はKey=B♭メジャーと考えます。1小節目Cm7はm7なので、そのままCm7、次の2小節目F7は3小節目B♭メジャー7へのドミナントモーションなので【2-3】の法則をあてはめて、F7⇒G♭m7にコンバージョンします。3小節目、4小節目のB♭△7、E♭△7は【2-2】の法則をあてはめて、それぞれB♭△7⇒Gm7、E♭△7⇒Cm7にコンバージョンできます。したがって、

Cm7-F7-B♭△7-E♭△7 ⇒ Cm7-G♭m7-Gm7-Cm7

となります。

 5小節目からGマイナー(B♭メジャーの関係調)に転調したと考えます。5小節目Am7(♭5)は【2-4】をあてはめて、Am7(♭5)⇒Cm7です。6小節D7はGm7へのドミナントモーションなので、【2-3】にあてはめて、D7⇒E♭m7です。7小節目はGm7、そのままです。8小節目は、繰り返しで1小節目に戻ります。Dm7はDm7のまま考えても良いのですが、パットはここをDm7(♭5)と考えて【2-4】をあてはめ、Dm7(♭5)⇒Fm7と考えることが多いですし、こっちの方がなんかジャズっぽい感じです。また、Dm7と考えてDドリアンを弾くと、B音(Dm7の6度音)が少し違和感あり、注意が必要です。もっともある程度の速度で弾くと、そして、うまく使うと無茶苦茶かっこいいですがね。G7はCm7にむけてのドミナントモーションなので、【2-3】にあてはめて、G7⇒A♭m7にコンバージョンできます。したがって、

Am7(♭5)-D7-Gm7-Dm7/G7 ⇒ Cm7-E♭m7-Gm7-Fm7/A♭m7

となります。

 あと、サビ以降もこの進行の繰り返しです。

 お断りしておきますが、コンバージョンはここに示しただけではなく、何通りの考え方もあります。これは、一番基本的なコンバージョンのやり方で、これが理解でき、これに乗っ取ってプレイできるようにならなければ、複雑な例を覚えたところで、身につかないと思います。

 言葉でつらつらと書き続けたので、わかりにくい部分もあると思いますので、次回は、参考動画をアップできればと考えてます。

 マイナーコンバージョンの複雑な例や応用は、また別の機会に詳しく説明することにして、一旦マイナーコンバージョンから離れて、次はテクニカルな面、パット・マルティーノの途切れなく続くフレーズの秘密、「ポジションとポジション移動」についての奏法解説を始めようと思います。

 それでは。

 

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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com