Pat Martino奏法研究(20)
- 2017/02/21
- 21:35
最初の8小節の解説をすれば、すべて完了ですね。
まず最初の4小節です。
最初の4小節はKey=B♭メジャーと考えます。1小節目Cm7はm7なので、そのままCm7、次の2小節目F7は3小節目B♭メジャー7へのドミナントモーションなので【2-3】の法則をあてはめて、F7⇒G♭m7にコンバージョンします。3小節目、4小節目のB♭△7、E♭△7は【2-2】の法則をあてはめて、それぞれB♭△7⇒Gm7、E♭△7⇒Cm7にコンバージョンできます。したがって、
Cm7-F7-B♭△7-E♭△7 ⇒ Cm7-G♭m7-Gm7-Cm7
となります。
5小節目からGマイナー(B♭メジャーの関係調)に転調したと考えます。5小節目Am7(♭5)は【2-4】をあてはめて、Am7(♭5)⇒Cm7です。6小節D7はGm7へのドミナントモーションなので、【2-3】にあてはめて、D7⇒E♭m7です。7小節目はGm7、そのままです。8小節目は、繰り返しで1小節目に戻ります。Dm7はDm7のまま考えても良いのですが、パットはここをDm7(♭5)と考えて【2-4】をあてはめ、Dm7(♭5)⇒Fm7と考えることが多いですし、こっちの方がなんかジャズっぽい感じです。また、Dm7と考えてDドリアンを弾くと、B音(Dm7の6度音)が少し違和感あり、注意が必要です。もっともある程度の速度で弾くと、そして、うまく使うと無茶苦茶かっこいいですがね。G7はCm7にむけてのドミナントモーションなので、【2-3】にあてはめて、G7⇒A♭m7にコンバージョンできます。したがって、
Am7(♭5)-D7-Gm7-Dm7/G7 ⇒ Cm7-E♭m7-Gm7-Fm7/A♭m7
となります。
あと、サビ以降もこの進行の繰り返しです。
お断りしておきますが、コンバージョンはここに示しただけではなく、何通りの考え方もあります。これは、一番基本的なコンバージョンのやり方で、これが理解でき、これに乗っ取ってプレイできるようにならなければ、複雑な例を覚えたところで、身につかないと思います。
言葉でつらつらと書き続けたので、わかりにくい部分もあると思いますので、次回は、参考動画をアップできればと考えてます。
マイナーコンバージョンの複雑な例や応用は、また別の機会に詳しく説明することにして、一旦マイナーコンバージョンから離れて、次はテクニカルな面、パット・マルティーノの途切れなく続くフレーズの秘密、「ポジションとポジション移動」についての奏法解説を始めようと思います。
それでは。