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Pat Martino奏法研究(52)

【第6章】スタンダード曲への活用(4)

 今回は7小節目のE♭△7の部分です。

 E♭△7はまず普通マイナー・コンバージョンで考えるより、「E♭をキーのドレミファ・・・を弾く」と考えることが簡単で良いように思いますね。或いは、「E♭△7のD音(メジャーセブンス音)から始めるアルペジオを弾く」とか。パットもこのアルペジオ、まんま弾いたりします。しっかりと抑揚をつけて弾けば、基礎練習でやるアルペジオもいわゆる「フレーズ」に生まれ変わりますよ。逆に言うと、普段の基礎練習がいかに大切かということにもなります。

 では、マイナー・コンバージョンをあえて当てはめますね。E♭△7⇒Cm7と考えてCドリアン・スケールを弾いてみます。

 少し違和感のある音がありませんか?そうです。A音です。この音はE♭のドレミ・・・の中にはない音です。E♭キーでは#4(もしくは♭5)の強力なテンションです。

一応動画つけておきます。最初はE♭キーのドレミファ・・・のイメージ、次にE♭△7のD音からのアルペジオを使ったフレーズ、最後にCドリアンのA音を意識したフレーズを弾いてます。あまり参考になるフレーズではないかもですが、イメージは伝わりますでしょうか??



 マルティーノがこの音を好んで入れるのは「E♭△7のテンションとして」ではなく「E♭△7⇒Cm7とコンバージョンしてCドリアンを弾いた」結果としてA音を使うと考えているようです。

 彼のビデオや教則本を見る限り、彼は普通考える「テンション」という考え方でE♭キーのA音(#4)を弾くのではなく、あくまでマイナー・コンバージョンしてCドリアンを弾き、結果としてドリアンの特徴的な音である6度のA音を弾いているようです。

 まー、どう考えてA音を弾こうが音を出すまでの過程はどうでもよいと思いますが・・・・。

 次回は8小節目のA♭7の解説をしようと思います。

STELLA BY STARLIGHT-408


 


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プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に4年間師事。その後、自己のバンドで各種コンテストに参加する。
【主な受賞歴】
浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
横浜JAZZプロムナード '94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。その後は2014年夏より活動を再開。
現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブや講師として活動中。


【ギター教えます】
 僕は有名ミュージシャンではないですが、ずっと独学でやってきて「ジャズのアドリブが全くできない」とか「そこそこ弾けるようにはなったが、なんかジャズっぽくないなー」など、自分のギター・プレイに不満な方や伸び悩んでいる方の気持ちは一番わかっているつもりですし、そんな方達の手助けができるかなーと感じています。また、このブログで連載している「Pat Martino奏法研究」等について「もっと詳しく教えてほしい!」とか「一週間に一回ペースの小出しでなく、時間をかけてじっくり教えてほしい」みたいな人にも力になれるかな?と思ってます。

 東京都杉並区に住んでいますので、通える方は僕の自宅、遠方の方や通うのは大変という方にはリモートでも教えています。レッスン内容や頻度は生徒の方々の希望に合わせて決めています。

 興味のある方はメールやメッセージ、もしくはブログのコメント送信等どんなやり方でも良いのでご連絡くだされば詳細をお伝えいたします。

 それではお待ちしています!!

Mail : rymk.takeda@gmail.com

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