Pat Martino奏法研究(54)

【第6章】スタンダード曲への活用(6)

 
 今回は9小節目のB♭△7からの解説です。これはマイナー・コンバージョン的にはB♭△7⇒Gm7のようにコンバージョンするのですが、まー、無理にコンバージョンして考えることはなくて、「B♭キーのドレミ・・・」を弾けば良いのです。

 ただ、Gm7で考えるメリットが2つあって、ひとつはE♭△7の時にお話ししましたが、Gm7と考えてGドリアンスケールを弾くと、そのスケールの中の特徴的なE音が、B♭△7の#4thの音になって、いい感じのテンション間が得られるということです。

 もう一つの理由は、次のEm7♭5が理由です。ここのEm7♭51小節目のEm7♭5で解説したように、Em7♭5⇒Gm7にコンバージョンして考えれば、B♭△7からEm7♭5までの6拍をGm7(Gドリアン)で弾けてしまうことになります。マイナー・コンバージョンで考える一番の目的は「単純化」「簡素化」ですから、理にかなっています。

 もっとも、Em7♭5→A7♭9→Dm7は「Dmキーのツー・ファイブ」ですから、マイナー・コンバージョンを考えなくとも、もともとツー・ファイブのフレーズのストックがある方は、それを当てはめて弾いてみれば良いと思います。マイナー・コンバージョン的には
Em7♭5→A7♭9→Dm7  ⇒   Gm7→B♭m7→Dm7 です。この辺、ついていけない人は、1、2小節目の解説部分を復習してみてください。もしくは、質問していただいてもOKです。

 今回はここまでです。

 動画は最初9~11小節目のテーマを2度弾いてから、B♭△7→Em7♭5→A7♭9→Dm7 を Gm7→Gm7→B♭m7→Dm7 とコンバージョンして弾いています。

 参考にしてください。



STELLA BY STARLIGHT-408

 


  

Pat Martino奏法研究(53)

【第6章】スタンダード曲への活用(5)

 今回は8小節目のA♭7の部分です。

 まずは一般的なマイナー・コンバージョンからです。A♭7 ⇒ E♭m7 とコンバージョンしてE♭ドリアンスケールを想定して弾きます(動画1)。こう考えると前の7小節目がE♭△7ですからE♭△7→E♭m7となって、前の小節のE♭をマイナーで弾けば良いのだ(G音をG♭に、D音をD♭に変える)ということがわかります。もしくはE♭△7を前回の解説のようにCm7とコンバージョンしてCドリアンスケールを想定して弾いていれば、それを単三度(フレットを上に3個移動)上げて弾けばE♭ドリアンを弾くことができて、とりあえず音は外しません。

ちなみに動画は1も2も5小節目のFm7辺りから弾き始めています。



 次にパットが結構頻繁にやるのは、A♭7をコンバージョンして考えずにA♭7のまま考えて、A♭ブルース・ペンタトニック・スケールを弾きます(動画2)。これは、ドリアン・スケールで延々と続くギターソロが、ともすれば単調になりがちな感じを一気に引き締めるのに効果的です。安定したドリアンモードが急に「えっ?」という感じになり、うまくハマるととてもカッコ良い感じになります。



 理論が全くだめという人は、ここからの文章は気にしなくてよいと思いますが、参考までに書いておくと、A♭7をE♭m7にコンバージョンして、E♭ドリアン(マイナー)を弾くことは、次の9小節目がB♭△7ですから、結果としてB♭に解決に向かうためのサブドミナントマイナーを弾いていることになります。
 
 次回は今まで解説してきた復習を兼ねて、1小節目から8小節目まで通して弾いてみます。

 それでは!

STELLA BY STARLIGHT-408

Pat Martino奏法研究(52)

【第6章】スタンダード曲への活用(4)

 今回は7小節目のE♭△7の部分です。

 E♭△7はまず普通マイナー・コンバージョンで考えるより、「E♭をキーのドレミファ・・・を弾く」と考えることが簡単で良いように思いますね。或いは、「E♭△7のD音(メジャーセブンス音)から始めるアルペジオを弾く」とか。パットもこのアルペジオ、まんま弾いたりします。しっかりと抑揚をつけて弾けば、基礎練習でやるアルペジオもいわゆる「フレーズ」に生まれ変わりますよ。逆に言うと、普段の基礎練習がいかに大切かということにもなります。

 では、マイナー・コンバージョンをあえて当てはめますね。E♭△7⇒Cm7と考えてCドリアン・スケールを弾いてみます。

 少し違和感のある音がありませんか?そうです。A音です。この音はE♭のドレミ・・・の中にはない音です。E♭キーでは#4(もしくは♭5)の強力なテンションです。

一応動画つけておきます。最初はE♭キーのドレミファ・・・のイメージ、次にE♭△7のD音からのアルペジオを使ったフレーズ、最後にCドリアンのA音を意識したフレーズを弾いてます。あまり参考になるフレーズではないかもですが、イメージは伝わりますでしょうか??



 マルティーノがこの音を好んで入れるのは「E♭△7のテンションとして」ではなく「E♭△7⇒Cm7とコンバージョンしてCドリアンを弾いた」結果としてA音を使うと考えているようです。

 彼のビデオや教則本を見る限り、彼は普通考える「テンション」という考え方でE♭キーのA音(#4)を弾くのではなく、あくまでマイナー・コンバージョンしてCドリアンを弾き、結果としてドリアンの特徴的な音である6度のA音を弾いているようです。

 まー、どう考えてA音を弾こうが音を出すまでの過程はどうでもよいと思いますが・・・・。

 次回は8小節目のA♭7の解説をしようと思います。

STELLA BY STARLIGHT-408


 


Pat Martino奏法研究(51)

【第6章】スタンダード曲への活用(3)

 今回は3~6小節の解説をします。

 まず譜面をご覧になってください。3・4小節でひとくくり、5・6小節でもうひとくくりと一旦分けて考えます。理由はCm7-F7でⅡ―Ⅴ(もしくはI-Ⅳ)、Fm7-B♭7でⅡ-Ⅴと考えることができるからです。彼のマイナー・コンバージョンをこれに乱暴にあてはめてみると、「Cm7-F7はF7⇒Cm7だからCドリアンスケール」で、「Fm7→B♭7はB♭7⇒Fm7だからFドリアンスケール」が使えてます。ですから、3・4小節目はCドリアン、5・6小節目はFドリアンで弾いてみてください!以上終わり!です。この辺で話がちんぷんかんぷん???の方はこの講座の(14)【2-1】を読み直してみてください。もしくは、お気軽にご質問ください。

 上で話したことは間違っていませんし、パットもこの考えで弾くとは思いますが、さすがに全てのコーラスはこのようには考えないと思います。じゃー、他にどうアプローチするか?とかというと次のようにも考えられます。

 先に5.6小節のFm7―B♭7の方から解説すると、続く7小節目に注目です。E♭△7ですよね。Fm7-B♭7-E♭△7でE♭メジャーでのⅡ-Ⅴ-Ⅰになってます。要はB♭7→E♭△7がドミナント・モーションなわけです。そこで、B♭7⇒Bm7とコンバージョンしてB♭7のところをBドリアンを弾きます。話についてきてない人はこの講座(16)【2-3】をよーく読んでくださいね(笑)。あっ、笑ってちゃダメです。ここはマイナー・コンバージョン・コンセプトで一番重要な部分です。また別な見方をすれば、B♭7⇒Bm7⇒E7ですから、Fm7-B♭7-E♭△7 ⇒ Fm7-E7-E♭△7と裏コードもしくはE♭への半音進行と考えて弾いているとも言えます。

 戻って3・4小節目のCm7-F7のF7の部分ですが、F7に続く5小節目はFm7だから、今度はドミナント・モーションじゃないですね。したがってF7⇒F#m7と考えてF#ドリアンはダメかというと、そんなことはなくて、結構な確率でパットはここでF#ドリアンを弾くと思います。なぜF#ドリアンが使えるのでしょう?それは4小節目F7(F#ドリアン)→5小節目Fm7(Fドリアン)でドリアンの半音進行が生まれてかっこよいからです。

 以前もこの講座でお話したように、マイナー・コンバージョンはコード単体で何にコンバージョンするか(できるか)が一意に決まるものではなく、「次に何のコードがあるのか」「どのような機能(位置づけ)で使われているのか(使いたいのか)」によって何通りも考えられることになります。

 参考動画ですが、最初はCドリアン、Fドリアンのみ、2回目はCドリアン→F#ドリアン→Fドリアン→Bドリアンと弾きわけてます。

 みなさんが雰囲気を掴むこと優先で弾いていますので、良いアドリブ演奏とは言い難いですね。お許しください!

 それでは!



STELLA BY STARLIGHT-408


Pat Martino奏法研究(50)

【第6章】スタンダード曲への活用(2)

 今回は2小節目に行きます。コードはA7(♭9)です。

 A7(♭9)というと、マイナーコンバージョン的にすぐに思い浮かぶのはB♭m6(7)です。何故?って思う人は過去の投稿「Pat Martino奏法研究(16)」をご覧ください。難しいこと考えずに今後は「7th(♭9)は半音上のマイナーが使える」と覚えてください。まずは下の動画をご覧になってください。



 注意点というかアドバイスが一点あります。B♭m6(7)にコンバージョンしてB♭ドリアンを弾くと、A7のルートA音とB♭音がぶつかります。また、この曲の2小節1拍目のメロディーはA音ですから、ドリアンにA音(B♭マイナーのメジャー7thの音)をフレーズに付加してやることで違和感を無くすことができます。動画でもA7(♭9)ではなく、A7(♭13)にしています。♭9とはよくセットで鳴らすテンションです。コードを鳴らし、B♭ドリアンをゆっくりと弾いたあと、先の解説のA音の使い方がわかるような弾き方をしていますので、参考になさってみてください。また、後半はB♭ドリアンをフレット真ん中を中心に左右へとポジション移動させています。前回書きましたが、マルティーノがど真ん中のポジションをスタートにする理由はこのようにポジション移動に自由度があり、長いフレーズが弾けるからです。

 下の動画は1小節目Em7(♭5)(Gドリアン)→A7(♭9)(B♭ドリアン)を連続して弾いています。参考にしてください。



STELLA BY STARLIGHT-408


プロフィール

武田 謙治

Author:武田 謙治
1962年生まれ 新潟県出身
小4よりクラシックギターを始める。
中学~高校時代はロック、フュージョンに傾倒。
慶應義塾大学入学と同時に、慶應ライトミュージックソサェティに所属し、ジャズの演奏を始める。
卒業後は、働きながら音楽活動を継続し、ジャズギタリスト布川俊樹氏に師事し、各種コンテストにも参加。
【主な受賞歴】
 浅草JAZZコンテスト グランプリ受賞
 吉祥寺JAZZコンテスト グランプリ受賞
 横浜JAZZプロムナード’94 コンペティショングランプリ受賞 横浜市民賞受賞
 キングレコード「日本ジャズ維新塾」 グランプリ受賞 岡安芳明賞受賞
 
1990年代は精力的に活動をしていたが、2000年に入り、十数年の間活動休止。2014年夏より活動を再開。現在は、都内を中心に、「日本一ギターのうまいサラリーマン」を目標にライブ活動中。
【ギタリスト武田謙治のブログ】
http://kenjitakeda.jp/
【Jazz Rock 必見動画!】
https://kenjitakeda.blog/
【Guitar Lesson のお知らせ】
http://kenjitakeda.jp/blog-category-12.html/

mail:rymk.takeda@gmail.com

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